ロケ撮影が劇的に変わる。Capture One for iPadでワンオペ有線テザー撮影

2022-11-23

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Capture One for iPadが有線でのテザー撮影に対応したので、ロケ撮影のときに、iPadでPCライクにテザー撮影が可能になるのではと思い、iPad Proとショルダーストラップ付きのケースを購入しました。
iPad Proを購入してから、1ヶ月ほど仕事でテザー撮影を試してみたので、Capture One for iPadによる有線でのワンオペテザー撮影をご紹介します。

テザー撮影とは

英語ではTether Shootingと言います。tetherは繋ぐなどの意味で、PCなどとカメラをUSBケーブルやワイヤレス通信で接続し、撮影した写真をすぐにPCなどの大画面で確認できる撮影方法です。
各カメラメーカーが提供しているアプリや、Adobe Lightroom・Capture Oneなどのテザー撮影に対応したアプリを使用することで可能となります。
私はずっとCapture Oneでのテザー撮影を使用してきましたが、今まではPCのみで使用可能で、ロケ撮影の際はアシスタントなどにPCを持ってもらうか、PCを置いておくための台が必要でした。

以前から、スマホやタブレットで使用可能なShutterSnitchというアプリがあり、そのアプリでワイヤレスでのテザー撮影は可能でした。けれど、撮影してから画面に表示されるスピードが遅い点や使い勝手の面で、あまり頻繁には使用していませんでした。

Capture OneのiPad用のアプリは以前からあったのですが、カメラやメモリーカードから写真を取り込んで、調整やセレクトをiPadで可能なだけのアプリだったので使用していませんでしたが、最新のアップデートで、Capture One for iPadが有線・無線でのテザー撮影に対応しました。

iPadを肩がけすることで1人でもPCと変わらない感覚でテザー撮影が可能

今まではロケでテザー撮影をしたい場合、ノートPCをどこかに置くか、誰かに持ってもらう必要がありました。ワンオペでの撮影の場合、PC・カメラ・ライト類を移動させたりとバタバタしがちです。けれど、iPadでテザー撮影が可能になったことで、上の写真のようにiPadを肩からかけて、1人でもテザー撮影をすることが出来ます。カメラもストラップで肩から下げてしまえば、ライトと同時に移動することも簡単になり、撮影時の手間が減ります。
さらに、PCが離れたところにある場合と違って、ケーブルの取り回しを気にする必要もなくなり、撮影の際のカメラマンの動きの自由度が格段に上がります。
iPadの画面が体の後ろに向くようにかけておくことで、周囲のスタッフがカメラマンの後ろにいれば、撮影した写真をすぐに確認可能です。

ケーブルの長い部分はまとめてショルダーストラップにかけてしまえば、邪魔になりません。

iPadの画面の向きのロックをオフにしておけば、自分で写真を確認するときにiPadを持ち上げると、写真を正面向きで見ることが可能です。

アプリはまだまだ改善して欲しい部分はあるがそれなりの使い勝手

iPadでのアプリ内では、撮影ごとにアルバムを作って管理する形で運用しています。
アルバム名の右の・・・の部分をタップすると、クラウドへの追加やキャプチャーアルバムへの割り当ての設定が出てきます。テザー撮影時はキャプチャーアルバムに割り当てたアルバムに撮影した写真が表示されます。

PC版のCapture Oneと全く同じとは言えませんが、クロップや各種調整・レーティングなどが可能です。タッチ操作での調整は快適とは言い難いですが、PC作業前の粗い編集と思えば我慢できるレベルかと思います。

エクスポートの形式もWEBやSNSに最適化された設定がデフォルトで用意されています。iPadでテザー撮影・現像後にそのままSNSにアップロードするというような活用も出来るので、iPad上のみでワークフローを完結させることも可能です。

iPad上でレーティング・調整をして、アルバムをクラウドにアップロードしてあげると、PC版のCapture Oneのクラウド転送機能で、レーティングや調整が反映されたまま、写真を読み込むことが出来ます。

iPadでテザー撮影 → iPad上でセレクト・調整 → 自宅に戻ってからPC上で最終作業

というワークフローになれば、撮影のときにノートPCを持ち歩かなくても済むかと期待していたのですが、クラウド転送のスピードが遅く、枚数が多いとiPad上での転送が一向に進まないことがあったので、ワークフローに関してはまだ試行錯誤中です。

Capture One for iPadを起動中は画面のロックがされない設定で、有線のテザー撮影をしていますが、3時間くらいの撮影ならiPadのバッテリーだけで十分に持ちます。1日がかりのロケ撮影のときは途中でiPadの充電は必須ですが、移動中やモデルの着替えの空き時間などに、こまめにモバイルバッテリーで充電していれば、丸一日のロケ撮影にも対応可能です。

※2023年4月追記
アプリのアップデートでカメラ内のメモリーカードとの同時記録が可能になったので、USBハブと合わせて、電源が取れる場所ならiPadのバッテリーも気にする必要がなく、より便利に活用する方法を記事にしました。

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PCとiPadでのテザー撮影の比較

使用機材は、
EOS R、テザーツールのUSB-Cケーブル
iPad Pro 12.9インチ(6th gen) 512GB WiFiモデル
MacBook Pro (16-inch, 2019) 2.3 GHz 8コアIntel Core i9
です。
iPad Proは最新のM2チップなので、単純なCPU性能だけなら比較しているMacBook Proよりも上かもしれません。

iPad Proを買ったときにベンチマークを取ってみましたが、数値的にも遜色ないものになっています。
テザー撮影時の表示速度もPCでの撮影と変わらないスピードでサクサクと表示されます。PC版のCpture Oneと同じように、撮影した写真に前の写真の調整を即時反映させることも可能で、PCでのテザー撮影と変わらない感覚で撮影できます。

写真の画面表示に関しても、iPadの場合はワンタップで全画面表示に出来るので、16インチのMacBookよりも簡単に写真を大きく表示出来ます。

PCの方も表示を大きくしてあげれば変わらないサイズ感になりますが、ラクさという点ではiPadの方が上です。

iPadの場合は画面の向きのロックをオフにしておけば、iPadを回転させてあげるだけで、縦位置の写真も最大サイズで表示出来ます。ワンオペではなくなってしまいますが、他の人にiPadを持ってもらう場合は、撮影した写真の向きに合わせてiPadの向きを変えることで、常に画面いっぱいの最大サイスで写真を確認することが可能です。

今まで諦めていた場面での有線テザー撮影が撮影現場に革命をもたらす

Capture One for iPadが有線でのテザー撮影に対応したというアナウンスを知ってすぐに、今回ご紹介したワンオペ有線テザー撮影で、撮影環境が劇的に変わるのではないかと思いました。
実際に1ヶ月ほど使用してみて、高価なiPadを買った分と、Capture One for iPadのサブスク代の元は取れるくらいに撮影が快適になりました。iPadもケース込みだと、1.4kgほどとPCと変わらない重量ですが、ショルダーストラップで肩がけしている分にはそこまで重さは感じません。それよりも、ケーブルの取り回しを考えないで良い自由さや、誰かにデバイスを持ってもらわなくてはいけない煩わしさから開放されるメリットが、想像以上に大きいです。
クラウド転送の遅さや、PCに比べると操作性が悪い部分など、気になる点はまだまだあります。
スタジオや屋内での撮影なら、後々のことを考えるとPCでテザー撮影をした方が良い場面は多いです。ロケや取材などで、身軽で快適なテザー撮影の方法を模索している方はぜひ一度試してみて下さい。

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