バッテリー駆動で手のひらサイズのLEDライト:SmallRig RC60Bレビュー

バッテリー駆動で手のひらサイズのLEDライト:SmallRig RC60Bレビュー

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以前に紹介したNANLITE FS-300Bは仕事の撮影で大活躍しています。非常に使いやすく便利ですが、ブログなどで狭い自宅で撮影するときには、灯体の大きさとケーブルの取り回しの悪さで、ちょっと不便です。
自宅でブツ撮りするときにFS-300Bほどの大光量も必要ないので、もっと軽くて小さく、内蔵バッテリー駆動の便利なLEDライト「SmallRig RC60B」を買ってみました。

コンテンツ

外観

専用ケース

専用のケースが付属します。
取っ手付きでライトと付属品を一式持ち運ぶのに便利です。パッと見は立派な感じですが、ペラペラなので、ハードに使うと壊れてしまいそうな気がします。

機材ごとの形に切り抜かれたスポンジが入っていて、ライト本体やリフレクターなどがきれいに収まります。
付属品は以下のとおりです。

  • ライト本体
  • ライトスタンドアダプター
  • グリップハンドル
  • リフレクター
  • モバイルバッテリーホルダー
  • 3m・20cmのUSB-Cケーブル

ライト本体

ライト本体は立方体に近い形状です。

高さ8.5cmくらい、横幅は側面の出っ張ったスイッチまでで約9.8cmです。縦幅は11cmくらい。ライト本体の重量は約670gなので、手で持つと見た目よりは重く感じます。ただ、サイズ感・重量ともにF2.8の標準ズームレンズくらいの感覚なので、60Wクラスの照明としては、かなりコンパクトで軽いです。

2700K〜6500Kのバイカラーです。アクセサリのマウントはミニタイプで、ボーエンズマウントのアクセサリを取り付けたい場合は、別売りのアダプターを買う必要があります。

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ライトスタンドアダプター

ライトスタンドアダプターは、重量感があるしっかりとした作りです。

ライトとの接続部分は回転防止の突起が付いているのも好感触です。

アンブレラホルダーで傘も取り付けられます。付属のリフレクターは傘と干渉しないサイズになっています。
スタンドアダプターの角度調整部分は結構ちゃんと止まるようになっていて、小型の傘くらいなら余裕で角度調整可能です。

180度プラスちょっとくらい動きます。

グリップハンドル

グリップハンドルは軽量です。持ち手がゴム(?)のような素材なので、手持ちのときのグリップ感が良いです。

広げてミニ三脚になりそうな雰囲気だけはありますが、ただの棒です。手持ち用のハンドルとしては軽いほうが使い勝手は良いのですが、広げてミニ三脚にできたらもっと便利なのにとは思いました(価格的にもこれだけ色々つけてくれてるので、贅沢な要望ですが…)

リフレクター

ミニタイプのリフレクターが付属しています。後述しますが、リフレクターを使用すると、1段くらい露出が上がります。

高さが約9cm、直径が約10cmほどと、ライト本体と同じくコンパクトなので携帯性が良いです。

モバイルバッテリーホルダー・ケーブル

金属パーツが多く使われていて、見た目以上にしっかりとしています。その分、約74gと若干重めです。
ライト本体と、モバイルバッテリーの取り付けはバネの力で挟み込みます。

本体背面の溝にホルダーを引っ掛けます。モバイルバッテリーを挟む部分などには傷防止のゴムが付いていたりと、細かい部分への配慮もされています。モバイルバッテリーとしては大きく重いAnker PowerCore III 19200 60Wでもしっかりと保持できます。
付属の20cmのケーブルは、ライト本体にモバイルバッテリーを取り付けたときにちょうど良い長さです。

モバイルバッテリーなどから、給電しながら使用可能です。バッテリー駆動の照明機材は、まだVマウントバッテリーを使用するものが多く、初心者には少しとっつきにくいです。それに比べて、モバイルバッテリーはすでに持っている人も多く、導入コストがVマウントバッテリーより軽くなって良いと思いました。

付属のケーブルは両方ともPD対応で60W給電できるちゃんとしたケーブルのようです。
ACアダプターは付属していませんが、長短の2種類のケーブルが付属しているのは嬉しいポイントだと思いました。3mのケーブルはコンセントから給電しながら使うときに、十分な長さです。

フル装備すると結構大げさな感じになります。ただ、60WクラスのLEDライトとしてはかなりコンパクトで、ハンドグリップを装着すれば手持ちで軽々と扱えます。
撮影用のLEDライトが出始めた頃と比べると、このサイズと重量でバッテリーも内蔵されているのは、かなりの進化を感じます。

操作感

背面のオン・オフスイッチとECOモードの切替スイッチ、側面の2つのツマミとMODEボタンで操作します。

スイッチをONにするとこの画面が表示され、INTボタンを回転させると点灯します。
前回使用時の出力や設定のまま電源ONになるのですが、INTボタンを回転させるときに勢いあまって、数%出力が変わってしまうことが多いです。バッグ内などでの誤操作を防止する意味では、良いシステムなのですが、電源ONの操作にやや煩わしさを感じるときがあります。

MODEボタンで、CCTモードとFXモードが切り替えられます。基本的にスチール撮影の使用前提でのレビューなので、照明効果については割愛しますが、閃光など9種類の効果があります。

2つのツマミは押し込みボタンにもなっていて、CCTモードでINT/CCTそれぞれのボタンを押し込むと、出力が33・66・100%、色温度が3200・4300・5600Kと切り替わります。一気に出力を変えたいときなど、設定したい出力に近づけてから微調整すれば、回転量を減らすことができます。これはこれで、無いよりはあった方が良い機能なのですが、出力に関しては0%(消灯)も欲しかったです。
NANLITEのFS-300Bは、出力調整ボタンを押し込むことで「0%⇔設定した出力」が切り替わるようになっています。これだと、撮影の合間に一時的に消灯して、すぐに元の出力に戻すという使い方ができます。RC60Bの場合は、同じことをしようとするといちいち電源をオン・オフしなければいけなく、ちょっと面倒です。バッテリー駆動のRC60Bこそ、撮影中にこまめに消せるほうが便利だと思うので、ファームアップとかで、ボタンを消灯⇔点灯にもできるようにしてくれればと思っています。

ライトの使い勝手

FS-300Bとの比較

FS-300Bと並べるとRC60Bはかなり小さいです。LED素子のサイズも半分くらいの大きさなので、光源が小さい分、より硬い光になります。

このような感じでテストしています。露出計と光源の距離は約1mです

どちらのライトもリフレクターなしの場合、エッジがくっきりとしたシャープな影が出ます。小さい写真なので分かりにくいのですが、左のRC60Bの方が、同じ距離から照射した場合に光源が小さくなるので、よりシャープな影が出ます。
FS-300Bの方が出力が2段くらい強いので、その分被写体からの距離を離せば、同じような露出で同じくらいの影のシャープさを出すことは可能です。ただ、狭いスペースでの撮影など物理的に距離を取ることが難しい場合、よりシャープな影を出すには、RC60Bの方が有利になります。

出力や色温度の変化

出力50%で約1段暗くなります。10%〜1%に変更したときもちゃんと出力が変わっていて、細かい調整が可能なことが分かります。出力を落とすごとにやや青みがかっている気がしますが、そこまで大きな変化はなく、色温度への影響はあまりないようです。

色温度は2700〜6500Kまで、100K単位で変更可能です。
2900〜6500Kまでは出力にはほとんど変化がありませんでしたが、2800K以下に設定すると、2段くらい暗くなります。

別売りのシリコンディフューザー

合わせて、別売りのドーム型のシリコンディフューザーも買いました。付属のミニリフレクターにカパッとはめて取り付けます。結構厚めのしっかりとしたシリコン素材です。

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リフレクターを装着すると、スポット光気味になり出力が1段ほど上がります。リフレクターの内面反射により、影のエッジが二重になっています。
さらに、シリコンディフューザーを装着すると、リフレクターありの状態から2段くらい暗くなります。影のエッジはぼんやりとしますが、二重にはなりません。色味が結構変わってしまって、黄色っぽくなります。

約80cmの小型のアンブレラを装着すると光の当たり方はこのような感じに。

サイドからやや半逆光でアンブレラ1灯での、テーブルフォトの撮影テストをしてみました。

リフレクターありに比べてリフレクターなしは、アンブレラにまんべんなく光が当たっているので、やや柔らかい光になっています。シリコンディフューザーを装着すると、さらに光が回って柔らかくなります。
この写真は、リフレクターなしで、シャッタースピード1/30秒・F4.0・ISO100で撮影しているので、小物のテーブルトップ撮影なら、RC60Bのみで十分手持ちでも撮影できそうです。

小さい本体にパワフルな出力で使いやすい

SmallRig RC60B」は小さな本体からは想像できないくらい明るいLEDライトです。人物撮影のメインライトで使うには、心もとない出力ですが、物撮りでは十分にメインライトとして使えます。
狭い場所での撮影時に、大型のライトよりも簡単に硬くシャープなライティングができたりと、コンパクトさゆえのメリットがあります。小型軽量でバッテリー駆動なので、狭い場所への仕込みライトとしても使いやすいです。カメラバッグに入れておいても邪魔にならないので、とりあえず現場に持って行って、自然光や地明かりでの撮影のときにレフ板代わりに使うのも便利です。
Profoto B10のレビューでも言いましたが、照明がバッテリー駆動でケーブルが無いと、撮影がかなり快適になります。RC60Bは、狭い環境でブツ撮りをするときなどにはかなり便利なので、ぜひ試してみて欲しいです。

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Tanaka Toshiyuki
都内在住フリーランスのカメラマンです。
ファッション・ポートレート・物撮りなどを中心に活動しています。

このブログではカメラ・機材やガジェットなど撮影に役立つものを中心に紹介しています。

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