Anker PowerCore III 19200 60Wモバイルバッテリーレビュー

2021-07-24

タブレット・ノートPCなど、撮影時にはバッテリーで動く機器を色々と使います。EOS R・EOS R5もUSBでの給電に対応したので、屋外で電源が確保できないときの撮影など、いざというときのためモバイルバッテリーがあると安心感が増します。可搬性、容量・給電能力など色々とバランスを考えた上で、Anker PowerCore III 19200 60Wを購入したので、レビューしてみたいと思います。

外観

Anker PowerCore III 19200 60W

約169 × 79 × 22mm、約422gと小型とはとても言えないサイズ感です。手で持つとしっかりとした重みを感じます。

モバイルバッテリー本体を入れられるポーチとケーブルが2本付属しています。
付属のケーブルは、USB-C↔USB-CのものとUSB-A↔USB-Cの2種類で長さは約60cmです。

バンパーケースつきのiPhone 12 Pro Maxと同じくらいのサイズ感です。

ボタンを押すとランプが点灯し、モバイルバッテリーの残量が分かります。4つのランプの点灯でしか確認できないので、ざっくりとした残量しか分かりません。

USB-Aポートが2つ、USB-Cポートが1つあります。ポートはすべてPD対応で3台同時に合計最大60W出力で充電できます。

Anker PowerPort III 65W Pod

Anker PowerCore III 19200 60Wは充電器が別売りなので、一緒にAnker PowerPort III 65W Podも購入しました。

約66 × 29 × 45mm、約121gと小型軽量ながら最大65W出力のUSB-C充電器です。

手のひらサイズです。
MacBook Pro 16インチに付属している96Wの充電器と並べると一回り以上コンパクトです。

折りたたみ式のプラグなので、収納のときにもかさばりません。
USB-Cポートは1つのみです。

充電テスト

色々な機器を試しに充電してみました。
ここからはややマニアックな話になります。テストは厳密なものではないのでご参考程度に見て頂ければと思います。

Anker PowerPort III 65W PodからAnker PowerCore III 19200 60Wへの充電

充電時間を測り忘れてしまいました...公式サイトでは約2時間で満充電に出来るとあります。
充電器・モバイルバッテリーともに急速充電対応なので、充電し始めはちゃんと60W近くで急速充電されています。充電に使用したケーブルはモバイルバッテリーの付属品です。

充電量が半分を過ぎたあたりから、出力が下がります。

モバイルバッテリーが満充電になると出力が0Wになりました。電源に繋いだままにしていても過充電を防いでくれるようです。

Anker PowerCore III 19200 60WからiPhone 12 Pro Maxへの充電

iPhoneの充電が1%の状態からモバイルバッテリーに繋ぎ100%まで充電しました。
充電完了時、モバイルバッテリーは残量ランプが3つになっていました。

20Wの出力は出ているので、ちゃんと最高速度で急速充電されているようです。

充電残量時間経過時間
1%〜30%16分16分
30%〜50%14分30分
30%〜70%16分46分
70%〜80%11分57分
80%〜90%24分1時間21分
90%〜100%1時間12分2時間33分

充電にかかった時間を簡単に表にまとめてみました。iPhoneの「バッテリー充電の最適化」はオンの状態です。もうちょっとまじめに10%刻みの充電量で時間を測れば良かったとちょっと後悔しています...

充電残量60%〜75%くらいまでのときの出力です

表からも分かる通り、70%くらいまでの充電時間は約46分です。
充電が60%を超えたあたりから上の写真のように出力が下がってきます。そこからさらに75%を超えると出力がガクッと下がって、2W前後で推移していました。

75%を超えてからです

「バッテリー充電の最適化」の影響だと思いますが、80%〜90%に充電するのに24分。そこから100%までは1時間以上かかりました。バッテリーの劣化を軽減するための機能ということでオンにしていますが、とりあえず100%に充電したいという人からすると90%〜100%の充電時間は長く感じるかもしれません。

MacBook Pro (16-inch, 2019)への充電

Anker PowerCore III 19200 60W・MacBook Pro付属充電器・Anker PowerPort III 65W Podの3つで充電実験をしてみました。
モバイルバッテリーを使うことで、電源が確保できない状態でどれくらいMacBook Proの使用時間を伸ばせるかということで、充電中はMacBook Proの輝度Max、ストリーミングで動画を流しながら実験しています。

Anker PowerCore III 19200 60Wモバイルバッテリーからの充電

まずはモバイルバッテリーからの充電です。
上記の条件で、満充電のMacBook Proの充電残量を7%まで減らしました。その際、内蔵バッテリーが7%まで減るのに約2時間使用できました。

モバイルバッテリーはきちんと60Wで給電されていました。
7%の状態からモバイルバッテリーが空になるまで充電したところ、約1時間かかりMacBook Proは充電残量が19%になりました。そこから充電が切れるまでが約12分だったので、モバイルバッテリーを使うことで、約1時間10分ほどMacBook Proを延命できました。
実験の条件的には結構ハードな使い方をしていると思うので、実際に屋外でのテザー撮影での使用だともう少し使用可能時間は伸びそうな気がします。
電源が確保できないときの撮影時の予備バッテリーとして、それなりに役に立ちそうです。

Anker PowerPort III 65W Podからの充電

今度はAnker PowerPort III 65W Podが大きくて重いMacBook Pro付属の充電器の代わりとしてどれくらい使えるのかの実験です。
Anker PowerPort III 65W Podの充電中の写真は撮り忘れてしまったのですが、ちゃんと60Wで給電されていました。

Anker PowerPort III 65W Pod付属充電器
充電時間5時間46分3時間23分

MacBook Proが2%から満充電になるまでの時間を計測しました。上の表の結果のようにAnker PowerPort III 65W Podは100%になるまでに付属充電器よりも2時間以上かかりました。
この時間の違いをどう考えるかによりますが、ちょっとでも荷物を軽くしたい場合などにはAnker PowerPort III 65W Podの方でも十分に事足りそうです。

EOS R5への充電

EOS R5はUSBでの給電が可能ということで、モバイルバッテリーでの充電を試してみました。
Anker PowerCore III 19200 60Wをカメラに接続すると、ちゃんとバッテリーへ充電可能でした。ただしカメラの電源をオフにした状態でないと、給電されないので、カメラを使用しながらの充電は出来ません
出力を計測したところ、カメラバッテリーへは7Wで出力されていました。
バッテリーが15%の状態から充電を始めて100%になるまでに約1時間50分かかりました。

EOS R5への充電に関してはモバイルバッテリーからの充電は正直あまり実用的では無いと思います。
カメラを使用しながらの給電が出来ないため、移動中などに充電するしかないのですが、バッテリーを満タンにするのに2時間以上かかるので、撮影の合間などに充電するのは現実的ではありません。予備バッテリーの充電を忘れてしまったときなど本当に緊急のときのセーフティネットくらいの感じかと思います。

まとめ

Anker PowerCore III 19200 60Wは19200mAhの大容量モバイルバッテリーです。スマホだったら3・4回は満充電に出来る容量があるので、1つ持っていれば外出先などでのバッテリー切れの心配が大幅に減ります。
出力が高いので、様々な機器に急速充電出来ることも強みです。
CanonのUSB-Cで給電できるカメラのモバイルバッテリーでの充電はあまり現実的とは言えませんが、ノートPCの使用時間延長には大いに貢献します。カメラバッグの隙間に入るサイズ感なので、お守り的にカメラバッグに入れておけば、ロケ撮影での安心感が高まると思います。

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