前回の記事で紹介した、自宅撮影用のINNORELの三脚は使い勝手も良いので気に入っています。
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使い勝手は良いけれど、センターポールがないのでちょっと三脚の高さを変えたい時には、いちいち脚を調整しなければなりません。最初はそれで良いかと思っていたのですが、ブツ撮りをしているとこの作業が結構なストレスになります。
何か良い方法はないかと考えた結果、Velbonのマルチアングルユニット V4-unit IIが、センターポールの代わりなりそうだと思いました。テーブルトップでのちょっとした俯瞰撮影にも便利そうなので、購入してみました
マルチアングルアームにピッタリサイズの小型自由雲台QHD-S5ASも、合わせて買ったのでレビューします。
小型自由 QHD-S5AS
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雲台高さ | 98mm |
底面径 | 37mm |
重量 | 318g |
推奨積載重量 | 4kg |
VelbonのUT(C)-50シリーズというトラベル三脚用に設計されている小型の自由雲台です。三脚の脚を180°反転させて収納するとき、ぴったり収まるような縦長の形状になっています。
細長く小型ですが、各部の操作感が良く、作りがしっかりしています。
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ボールとパンの操作ノブは大きさがかなり違います。手探りで操作でも、ノブを間違えることは少なそうです。
ノブは金属製で、ローレット加工されています。
水平パンは独立していて、雲台下部には目盛りもあるのでパノラマ撮影などにも使用できそうです。
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三脚への取り付けは、1/4インチ(細ネジ)のアダプターが付属していて、このアダプターを取り外すことで3/8インチ(太ネジ)にも対応します。
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カメラへの取り付けはアルカスイス規格に対応しています。クランプのデザインはシンプルですが、エッジの部分がきちんと面取りされていたりと、しっかりと作ってある印象です。
脱落防止ネジ用の窪みはクランプの外側まであり、色々なタイプのプレートに対応できそうです。クランプの裏面も細かく肉抜きされていて、軽量化にも配慮されているようです。
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クランプは薄型ですが、プレートはしっかりと固定できるので不安感はないです。
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手持ちのプレートはほぼすべて問題なく装着できました。
この自由雲台に取り付けることは筆者の使用方法ではまずないですが、Kirkの雲台用プレートだけは脱落防止部分が干渉してしまうため取り付けられず…Kirkの雲台用クイックリリースシステムは作りも良くかなり良い製品なのですが、プレートの汎用性が低い点だけがマイナスポイントです。
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クイックリリースプレートも細かく面取りがされていて、しっかりと作られています。
裏面の脱落防止ネジは外すことが出来ます。カメラへの取り付けネジは手で回すこともできるようになっています。
トルク調整方法と雲台の動きについて
この雲台はボールロックノブに付いている金色のネジを調整することで、使用機材の重さに合わせて雲台の作動力を調整する機能がついています。
説明書が若干分かりづらかったので、調整方法を動画にしてみました。
ボールは小型ながら、滑らかに動きます。完全に固定するにはノブを締めた後にもう1段階グッと締め込む必要がある感じです。
締め込んでちゃんと固定すれば、2.5kgくらいのEOS R5(バッテリーグリップ付き)+RF28-70 F2 L USMは、しっかりと止まります。
パンはややトルク感のある滑らかな動きです。
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マルチアングルユニット V4-unit II
![画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: MG_6043-1024x683.jpg](https://toshiyuki-t.com/wp-content/uploads/2024/01/image.jpeg)
購入検討していたときに見た商品写真では、少し安っぽく見えました。
ただ、実際に手にすると思ったよりもしっかりとしています。全体的に金属製のパーツが多く使われており、重量も613gとそこそこ重いです。
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三脚への取り付けは付属のネジを交換することで、1/4インチ・3/8インチの両方に対応します。
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雲台取付部は1/4インチの細ネジのみです。雲台回転防止用のイモネジなども無いのがちょっと残念ポイントです。
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エレベーターはこのハンドルを回転させることで伸び縮みさせます。ハンドルの持ち手はプラスチッキーな素材で、ハンドル自体の操作性は悪くないですが、やや安っぽい作りです。
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エレベーターのロックノブもプラスティックのような素材です。軽量化のためなのかコストダウンなのかは分かりませんが、ここも金属製ならさらに質感が上がるので、残念ポイントです。
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エレベーター部分の繰り出しは最大で約20.5cmくらい。
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エレベーターはギア式でスムーズに伸び縮みします。
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エレベーターのロックを解除した状態だと、ハスキーの三脚のようにハンドルを手で押さえていないと、カメラの重みで下がってきてしまいます。
エレベーターの根本にあるノブを回転させることでギアの重さを変えることができるので、勝手に下がってきてしまわないように調整出来ます。
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アングルを変更する際はこの部分を握ってひねることでロックを解除します。ゴム巻きになっていて握りやすく、操作性は良好です。
片手でアームを握ったままロック解除して、アングルを決めたらまたアームをひねってロックをするという構造が非常に使いやすいです。
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アームの先端はウェイトが引っ掛けられるようになっています。エンドキャップを外すと1/4インチの細ネジ仕様になっているので、別のアクセサリ類を取り付けることも可能です。
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雲台とマルチアングルアームを組み合わせる
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QHD-S5ASとマルチアングルアームを組み合わせるとこのような感じです。雲台底面と取付部のサイズが合っているのと、同じVelbon製ということでデザインも統一感がありピッタリ合います。
マルチアングルアームに以前ご紹介したSmallRigの雲台用プレートを付けて、三脚に取り付けます。
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マルチアングルアームとクランプの中心を合わせると、アームがクランプの端と干渉してしまい少し斜めになってしまいます。このままでも使えなくもないのですが、エレベーター用途では少し不便です。
なので、写真のようにクランプの端にオフセットして取り付けることで、アームをほぼ垂直にすることが出来ます。
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組み合わせることで、通常の撮影から俯瞰撮影への移行がシームレスになり、手軽に変更することが可能です。
マルチアングルアームの動き
アームは片手で握ったままロック・アンロックして様々な角度に向けることが出来ます。
カメラを押さえたりする必要がなく簡単に扱える、良く考えられた機構です。
アーム・エレベーターの動きが滑らかで、ロックは軽い力でできてしっかりと止まるので、使用していてストレスが少ないです。
まとめ
Velbon QHD-S5ASとマルチアングルユニット V4-unit IIのレビューでした。
INNOREL NT364Cにセンターポールがない不便さから購入したマルチアングルユニットでしたが、アングルの自由度が増したため、単純にセンターポールを付けるよりもブツ撮りがさらに快適になりました。
三脚にサイドアームを取り付けたりする手間なしで、通常の撮影から俯瞰撮影へスムーズに移行できる点や、エレベーターを使用して被写体への微妙な距離の寄り引きが簡単にできます。
この2つを組み合わせて使うと、ブツ撮りの細かいストレスが激減します。テーブルトップ撮影で、アングル変更に煩わしさを感じている方はぜひ使ってみて下さい。
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