ブログを書くための撮影は主に自宅でしています。仕事で使っている三脚をブログの撮影のために、いちいち用意するのが面倒くさくなってきたので、自宅撮影用に三脚を買うことにしました。以前にレンタルスタジオに置いてあったManfrotto 190シリーズの三脚が意外と良かった記憶があったので、それにしようかと思っていたのですが、アルミの三脚で3万円弱と結構な値段です。どうしようかとAmazonで色々と物色しているうちに、INNORELという聞いたこともないメーカーのカーボン三脚が2万円ちょっとくらいで販売されているのを見つけました。レビューも高評価が多く、どうせ自宅でしか使わない三脚だし、初カーボンをという気持ちもあり、INNOREL NT364Cという三脚を購入してみたのでレビューしたいと思います。
外観

全伸高 | 160cm |
最低高 | 13.5cm |
格納高 | 58cm |
パイプ径 | 36/32/28/25mm |
自重 | 2.12kg |
耐荷重 | 25kg |
開脚角度 | 8°・29°・65° |
NT364Cのスペックは上記のようになっています。
スペック上の耐荷重は25kgと立派な数値です。
自重は2.12kgと軽くはないですが、今まで4.3kgもあるManfrotto 475Bという倍以上の重さの三脚を使用していたので、持ち上げると拍子抜けするくらい軽いです。
脚の開脚が固く、結構な力でないと開けません。これは使っているうちに馴染んでくるのか...とりあえず様子見です。

脚部は8層カーボンファイバーで出来ているということ。脚のカーボンの模様は上のような感じです。

4段のナットロック式です。ロックナットはゴムが巻かれていて、操作感もまずまずです。
大体、1回転半くらい緩めると脚が引き出せます。脚の引き出しはやや引っかかる感じで、あまりスムーズではないです。
脚は一番太い1段目が36mm、4段目でも25mmの太さです。GITZOだと4型相当くらいの太さです。

石突は外せるようになっていて、付属のスパイクと交換できます。

脚の開脚角度は3段階で調整できます。ロックノブにはスプリングが内蔵されていて、ノブを引いたまま最大まで開脚すると、脚を閉じていく時にパチンパチンと任意の角度で止まるようになっています。

三脚トップ部分は一体成型のハーフボール型になっています。
こちらのボール受けは75mmサイズのハーフボールが合うサイズになっていて、他社の75mmのハーフボールもそのまま取り付けることが出来ます。ボール受けが一体成型のため、伸縮式のセンターポールを取り付けることは出来ません。


フラットプレートと、75mmのボールアダプターが付属していて、好みによって使い分けることが出来ます。
どちらも金属パーツが多用されていて、比較的しっかり作ってある印象です。
フラットプレートには雲台の回転防止のイモネジが2つあります。

フラットプレート下に重りなどを引っ掛けられるフックが付いています。
フラットプレートとボールアダプターは上下に分割することで、簡単に交換できます。


三脚横にアクセサリーなどを付けられるネジ切りがあります。3/8インチネジが切ってあり、そこに1/4インチへの変換アダプターが付いています。

4段目まで引き出すと三脚だけで160cmです。筆者の身長は178cmですが、雲台の上にカメラを乗せるとアイレベルより高く、ファインダーは180cmくらいの高さになります。

付属のキャリングバッグは思ったよりもしっかりした作りです。クッション性があり、ショルダーベルトも付属しています。全長も上の写真のように、三脚だけだと余るサイズなので、大きめの雲台を取り付けてもバッグに収まりそうです。
内側にジッパー付きのポケットが1つあります。
Leofoto YB75MKと組み合わせる

INNOREL NT364Cは標準で75mmのハーフボールが使用できるので、LeofotoのYB75MKと組み合わせることにしました。
GITZOのシステマティック三脚のようにセンターポールやレベリングベースなど用途によって組み替えられる、Leofotoのサミットシリーズ用のハーフボールで、100mmと75mmのサイズがあり、ハンドル部分がショート・ミドル・ロングの三種類から選べます。NT364Cには75mmサイズが無加工で取り付けられます。
今回購入したのはハンドルがミドルサイズのもので、雲台取付部はアルカスイスタイプのクランプになっています。
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前回の記事でご紹介したように、雲台をアルカスイスタイプでクイックリリース化したので、こちらの三脚も雲台を手軽に取り替えられるように、クランプ付きのハーフボールアダプターを導入しました。このハーフボールアダプターは3/8インチ仕様のものもあるので、そちらでしたら直接雲台をネジ止めすることが出来ます。
Kirk・SmallRigのプレート、手持ちのアルカスイスタイプのカメラプレートはすべて取り付けることが出来ました。

金属製のしっかりした作りです。取り付けのために上下に分解できるようになっています。

ハンドルのノブ部分にはゴムが付いています。ハンドルは握りやすく、操作性も良好です。

クランプノブも大型でローレット加工されているため操作しやすいです。

クランプ部分に水準器が付いています。NT364Cに付属のハーフボールアダプターには水準器が付いていませんが、レベリングベースの用途を考えると水準器がある方が便利です。

三脚に取り付けるとこのような感じに。クランプ分、Leofotoのアダプターのほうが背が高くなります。


どちらのアダプターも15°傾けることが出来ます。

ミドルサイズのハンドルは脚を最大まで開脚させたときもギリギリ地面に当たらない長さです。かなりギリギリなので、地面に凹凸がある場合は当たってしまいそうです。

アルカスイスタイプのクランプなので、カメラを直接取り付けることが出来ます。雲台無しなのでカメラの向きの自由度は減ってしまいますが、結構なローポジションにすることが可能です。

ちなみに、付属のハーフボールアダプターはハンドル部分が長いので、3本の脚を最大まで開くことは出来ませんが、1本を1段階閉じれば設置することが可能です。ハーフボールを傾ければ水平に近い角度に出来るので、ローポジションにしたい場合はこのようにしてカメラ位置を下げることも出来ます。
まとめ
INNOREL NT364Cのレビューでした。
初カーボンということで、他のカーボン三脚と比較することは出来ないのですが。触ってみた感じでは剛性感もあり、しっかりとした三脚という印象です。今のところ、室内でのブツ撮りでは問題なく使用できています。
同じようなサイズ感だとGITZOのシステマティック4型は10万円超え、Leofotoのサミットシリーズでも8万円弱という値段の中で、このスペックと作りで2万円台前半という価格は驚異のコストパフォーマンスかと思います。脚の引き出し時の引っかかり感など、作りのチープさや、使用していく中での耐久性がどうなのかなど気になる部分はありますが、とりあえずしっかりした大型のカーボン三脚を使ってみたい、あまり気を使わずにラフに扱えるサブの三脚を探している、というような方にはオススメの三脚です。