SONY α7R IVレビュー:Canon党のカメラマンから見たSONYのカメラ

2021-01-28

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EOS Rレビューの記事に書いたように、SONYのαシリーズが気になって仕方なくなってしまいました。
そんなタイミングで、撮影の6割くらいで活躍している愛用の24-70mmレンズが故障しました。
何かが壊れると新しいカメラを買う自分への言い訳にちょうど良いので、ノリと勢いでSONY α7R IVを導入しました。

ただ、Canonマウントを完全に手放すほどの勇気はなかったので、SIGMAのマウントコンバーターとPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAを一緒に購入しました。
基本的に50mmレンズ一本で撮影し、どうしても他の焦点距離を使わざるをえないときはマウントコンバーター経由で手持ちのEFレンズを使うという形で8ヶ月ほど仕事で使っていました。
何だかんだで、2020年10月に手放すことになってしまったのですが、8ヶ月間仕事の撮影でがっつり使ったSONY α7R IVの感想を書きます。

良かった点

解像度

画素数が多ければ良いとは一概には言えませんが、6100万画素の解像度はすごいです。

  • トリミング耐性
    普段の仕事では印刷物のサイズは大きいものでA4ワイドの見開きくらいまでが多いです。
    EOS Rの3030万の画素数でも必要充分なのですが、大幅にトリミングして使うこともあり、そういったときは解像感に不満を感じていました。
    けれど大幅にトリミングする場合でも、α7R IVの画素数だと余裕があり安心できます。
  • APS-Cクロップ
    普通の撮影では6100万画素はデータサイズが大きいことなどから少し持て余し気味です。
    APS-Cクロップで撮影しても2600万画素で必要充分な画素数です。
    クロップ撮影のときはレンズの中心部分を使うことになるので、画質的にも有利だと思います。
    8ヶ月間撮影で使っていたときも、ほぼクロップ状態で使っていました。

AF

リアルタイム瞳AFでの瞳・顔へのAFの食いつきはEOS Rよりも良いと思いました。
動体への追従性も高く、歩いている人物の撮影などでもEOS Rよりもフォーカスの精度が良く、ピント外れによる捨てカットが減りました。

ダブルスロット

EOS Rのレビューでも触れましたが、ダブルスロットは必ずしも必要だとは思っていません。
ただ、すべての撮影でPCとのテザー撮影が出来るわけではないので、撮影中にバックアップが出来ている安心感があります。

ボタンカスタマイズの自由度

ボタンの数の多さ、そこに割り当てられる機能の多彩さにより自分好みの操作感が得られます。
EOS Rでは割り当てられる機能などに不満があったのですが、α7R IVでは細かく使用者の好みに合わせられます。

スマホアプリ Imaging Edge Mobile

このアプリではシャッターを切ると撮影した画像が次々と自動で表示されます。
CanonのCamera Connectではそれが出来ないので、「ShutterSnitch」というアプリを使っていました。
ShutterSnitchも良いアプリなのですが、今ひとつ接続が安定しない時があったりします。
その点、SONYのアプリは接続も安定していて使いやすいです。
惜しいのは、撮影した写真は自動で表示されるのですがその画面上では前の写真に戻ったりすることが出来ない点です。
それが出来るようになれば完璧な使用感のアプリだと思います。

バッテリー

EOS Rと違い、テザー撮影中もUSB接続したPCから給電されます。
最初はそれを知らずに使っていたので、あまりにバッテリーが切れないので驚きました。

Canonの5D系のカメラでバッテリーグリップを付け2つのバッテリーを使っていると同時に減っていくので、充電するときも2つ同時に充電していました。
その感覚で、α7R IV購入時にもバッテリーを4本、バッテリーチャージャーを2個用意しました。
ただ、α7R IVではバッテリーは1つずつ順番に減っていくので、バッテリーが4本あれば、一本ずつの充電で間に合うため充電器は1つで充分でした。

Planar T* FE 50mm F1.4 ZA

α7R IVのレビューから外れてしまうのですが、このレンズが素晴らしいです。
ピント精度も申し分なく、解像度も高く、ピント面のシャープさボケの滑らかさ全てが高レベルです。
大きさ重さがネックになる方もいるとは思いますが、Eマウントでこのレンズを使わないのはもったいないと思います。

悪かった点

操作のレスポンス

シャッタースピードや絞りなどを変更するためにダイヤルを回したときのレスポンスが悪いときがあります。
ダイヤルを回した後にワンテンポ遅れて数値が変わるため、ロケ撮影などで撮影しながらのこまめな数値の変更が必要なときに撮影のペースが乱れます。

ジョイスティックの反応も悪く、AF枠が思ったところに止められないことも多々ありました。

解像度

6100万の画素数は良い点でもあるのですが、デメリットもあります。
PCとのテザー撮影時、RAWを転送しようとすると結構な時間がかかります。
ワンテンポ遅れてPCに表示されるので撮影中に周りで見ている人の反応などが確認しづらいです。

バッテリーグリップ

取ってつけた感がすごいです。
グリップもあまり握りやすくはなく、改めてcanonの細かい所の完成度の高さを感じます。

背面液晶・ファインダー

EOS Rの液晶の方が綺麗に見えます。
色味・露出などもEOS Rだったら確認用としてもある程度は信用出来ると思いますが、α7R IVは構図の確認くらいにしかならないと思います。
ただ、ファインダーの滑らかさはα7R IVの方が上です。

チルト液晶

Canon5Dシリーズを使っていたときは可動式の液晶には特に魅力を感じていなかったのですが、EOS Rを使いバリアングル液晶の便利さを知りました。
そうなるとチルト液晶では不便さを感じてしまいました。

まとめ

ポートレート・ブツ撮り何にでも使える汎用性の高さ。
唯一無二の解像度の高さ、AFの精度、連射性能など全てが高次元でまとまった素晴らしいカメラです。
ミラーレス一眼のパイオニアとして、EOS Rを出した時点でのcanonよりも一枚も二枚も上手の完成度です。
半年ほど使用して、SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN (Art)も追加で購入し、このままEマウントに乗り換えようかとも思いました。
(余談ですが、このSIGMAの標準レンズもコストパフォーマンスが高く良いレンズでした。)
ただ、悪かった点に挙げた操作のレスポンスの悪さがα7R IVの良さを台無しにしていると感じました。
毎日の撮影で使っていく上で、レスポンスの悪さによって小さな不満が積もっていきました。
α7R IVを使っている間もEOS Rを使うタイミングは何度かあったのですが、そのときに改めてCanonのカメラの良さを感じました。
スペックや数値には現れない、細かい部分での使用感。
言葉では言い表せないのですが、長年一眼レフカメラを作り続けてきたCanonの経験やノウハウがEOSシリーズのカメラには詰まっています。
プロが業務で使う道具としての信頼感・安定感はCanonのカメラのほうが上だと感じました。

そして、EOS R5の発表があり、ミラーレス一眼としてのスペック的にはSONYに肉薄してきたと感じたので、α7R IVを手放しEOS R5を購入しようと決めました。
品薄のため2020年10月まで購入できなかったのですが、3ヶ月ほど仕事で使用した上でのEOS R5のレビューをまた別の記事で書きたいと思います。

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