Canon EOS Rレビュー:カメラマンが1年間仕事で使った感想

2021-01-26

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独立してカメラマンとしての仕事を始めてから、Canon EOS 5D Mark II 〜 5D Mark IV まで、5Dシリーズのカメラを使い続けてきました。
2019年の2月に5D Marl IV のシャッターユニットが故障したので修理に出しました。
当時はミラーレス一眼にあまり良い印象がなかったのですが、5D Mark IV が修理から帰ってくるまでの繋ぎのつもりでEOS Rを購入してみました。
結果として、修理から帰ってきた5D Mark IV の出番はほとんどなくなり、EOS R がメインカメラとなり、1年間仕事の撮影で使ってみたので、良かったこと・悪かったことなど率直な感想を書きます。

良かった点

AF

ピントはかなり正確に合います。
人の顔を捉える精度が高く、バストアップくらいの撮影だと、瞳AFによってかなり正確に目にピントが来ます。
今まで5Dなどの一眼レフカメラでの人物撮影では2・3割くらいは微妙にピントが外れてやや甘くなっている感覚でしたが、EOS Rにしてからは9割くらいはピントが正確に合っています。

ピントがかなり正確に合うので、今まで使っていたEFレンズも一皮剥けたかのようなクリアな描写に感じます。

AFのスピードも速いです。
EOS Rと合わせてRF 24-105mm F4を試しに購入しました。RFレンズはまだこの1本のみですが、これに関しては合焦スピードが速くAFの駆動音もほとんどしません。
Canon純正のマウントアダプター経由でEFレンズも使用していますが、EFレンズに関してもAFは速く正確です。

C-RAW

RAWファイル容量が半分くらいになります。
Canon公式では普通のRAWの方が画質は優れているとありますが、見比べてみてもほとんど違いは分かりませんでした。
テザー撮影時もPCのモニターに表示される速度が体感で1.5倍くらい速いと思います。

バリアングルモニター

縦位置で真俯瞰や地面スレスレのローアングルで撮影するときは、かなり便利です。
特に地面スレスレのローアングルで被写体の移動に合わせて、動きながら撮影が出来るので表現の幅が広がります。

電源OFF時にシャッター幕が閉じる

撮影中はバタバタしていることが多いので、レンズ交換のときにそこまで気を使っている余裕はありません。それでも、レンズ交換のときにカメラの電源を落としてシャッター幕を下ろしているおかげか、今のところセンサーに目立つゴミは付いていません。

悪かった点

操作性

慣れの問題もあると思いますが、今までの5Dシリーズに比べると使いにくいです。
絞りダイアルが右肩にあり、カメラをグリップした状態だと絶妙に回しづらい位置です。

マルチファンクションバーにの使い道は見つけられませんでした。
買ってすぐに無効化して、それ以来触っていません。

ホワイトバランスとISO感度の設定が同じボタンなのも使いにくいです、とっさに変えるときなど何度も間違えました。

左;EOS R  右;5D mk4

EVF

普通に見ている分にはきれいなのですが、連射したときや被写体が動いているときはパラパラ漫画みたいになります。
普通の人物撮影でも動きが追えなくなるので、激しい動きのスポーツ撮影など難しいと思います。

テザー撮影が不安定

テザー撮影中にPCとの接続が突然切れることが何度かありました。
5D mk4以前のカメラでは接続が切れてしまったあと、気が付かずにシャッターを切っているとカメラのメモリーカードの方に写真が残っていたのですが、EOS Rの場合PCにもカードにも写真が無いという状態でした。
接続が切れている状態で撮影してもエラー表示などはなく、シャッターも普通に切れてしまうので撮影中にも気が付きづらいです。
その場合、シャッターを切って撮影はしているのに撮影したデータはどこにもない状態になってしまいます。
撮影時間が短いいタレントさんの撮影のときなどにそういうことがあると結構焦ります。

解決しました。対応方法はこちら
上記、リンクの方法でテザー撮影してみましたが、4日間で1万枚くらいのシャッターを切っても一度もテザー撮影は途切れませんでした。

インターフェース

バッテリーグリップにシンクロターミナルがありますが、ボディにはありません。
基本的にはホットシューに付けるタイプの無線シンクロを使用することが多いので、問題はありません。数年に1回レベルでシンクロターミナルがあって良かったと思うことがあるので、あるにこしたことはないのですが。

レリーズ端子がE3タイプなので、今までの5Dシリーズで使っていたリモートスイッチ(RS-80N3)がそのままでは使えません。
EOS R は立ち位置的に5Dシリーズからの入れ替え需要が高そうなので、そこは揃えたほうが良かったのではないかと思います。

せっかくUSB-C端子を使用しているので、テザー撮影中にPCから給電されるようにして欲しかったです。

まとめ

2017年に購入したFUJIFILM GFX50Sが初めて使ったミラーレス一眼でした。
GFX50Sは良いところもたくさんあるのですが、仕事の撮影で使う上での操作性や取り回しの悪さなどから登場率が低く、結局はCanon 5D mk4をメインのカメラとして使っていました。
そんなこともあり、仕事で使うカメラとしてのミラーレス一眼に対しネガティブなイメージを持っていました。

ミラーレス一眼には及び腰だっだのですが、Canonもついにまともに使えそうなフルサイズのミラーレス一眼カメラを出したのと、5D mk4の故障のタイミングが重なったのでお試し感覚でEOS Rを導入しました。
その結果、EOS R を導入してからは、修理から帰ってきた5D mk4の出番はほとんどなくなるほど、ミラーレス一眼の優位性を感じました。

ボタン配置など使い勝手に細かい不満はあるものの総合的に満足はしています。
EOS Rの不満点としてよく挙げられるシングルカードスロットですが、撮影の9割くらいはテザー撮影なので特に不満を感じたことはありません。
20万円を切る価格でフルサイズのカメラが買えると考えるとかなりお得だと思います。

ただ、EVFの見辛さなどまだまだな点は多々あります。私の撮影内容はスタジオや屋内での静物・人物撮影が多いのでEOS R が有用ですが、撮影内容によってはまだまだミラーレスに移行するのが難しいという場合は多そうです。
たまに5D mk4を使うと、改めて使いやすく良いカメラだと感じます。
良かった点として挙げたAFなどもEOS R だから良いというよりは、ミラーレスカメラ全般に言えることです。
ということで、ミラーレス一眼の良さを知り周りのカメラマンやネットでの評判が良いSONYのαシリーズがどうしても気になってしまい、SONY α 7R IVを2020年の2月に購入しました…
仕事でずっとCanonのカメラを使ってきたカメラマンが感じたSONY α 7R IVの印象は別の記事で書きたいと思います。

EOS R5 ・EOS R6 Mark II とRシリーズを使い込んで改めて思うEOS R のこと(2024年1月追記)

EOS R はもうすぐディスコンになりそうということで、Canonのミラーレス一眼「EOS R シリーズ」を3台使い込んで思ったEOS R というカメラについて改めて語りたいと思います。

改めて販売当時に20万円前後で発売したというのが今のカメラの価格を考えるとビックリします。EOS R6 には無いサブ液晶があったりと、EOS R5 などに通じる上位機種的な部分を持ちつつ、操作系はサブ電子ダイヤルがないエントリークラス的な要素もあるという、今考えると非常にチグハグな印象です。
そういうチグハグな部分も含めて、コストを抑えつつとりあえず使ってみようという価格にした、撒き餌レンズならぬ撒き餌ボディであったのかなと。
ミラーレスの利点はしっかりと感じられ、使い始めると一眼レフに戻れなくなると思わせつつも細かい部分は微妙に感じる面もあります。結局、その後に出たEOS R5 で不満はほとんど解消されて、ミラーレスから抜けられなくなってしまい、EOS R6 Mark II まで買い揃えてしまったので、Canonの戦略にハマってしまった気がします。
私の場合はカメラ関しては、操作感を重視している部分が大きいので、EOS R5 やR6 に軍配が上がってしまいますが、EOS R は今だと中古価格が15万円前後なので、新品にこだわらなければフルサイズの入門機として良いカメラなのではとも思えます。

より使いやすいCanonのミラーレスカメラ「EOS R5 」と「EOS R6 Mark II 」のレビューもしています。

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