Canon EOS R5レビュー:Canonの意地と本気が感じられるミラーレス

2021-03-12

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EOS Rでミラーレスの魅力にハマり、細かい部分でのEOS Rへの不満などから、一時的にSONYに浮気していました。α 7R IVは評判通りとても良いカメラで、1年弱くらい仕事で愛用していたのですが操作性や微妙なレスポンスの悪さなどの細かい部分の使い心地があまり合わず、プチストレスが溜まる日々。Canon、SONYと2マウント体制での運用もバッテリーなどの荷物が無駄に増えてしまうため面倒臭さを感じ始めていました。
そんな折に、EOS R5が発表されEOS Rで感じていた不満点が解消さているようだったので、再びCanonに戻る決意をしました。ただ、予約開始日をすっかり忘れていたため一週間ほど遅れての予約。その結果手に入ったのは10月半ばになってしまいました。そこから5ヶ月ほど仕事でがっつり使った上で、EOS R・SONY α 7R IVと比較しつつレビューしたいと思います。

基本的にスチール撮影メインのカメラマンなので、動画機能についてはこのレビューでは触れていません。

良いところ

AF

ファーストインプレッションはEOS Rとそこまで変わらないかな、という印象でした。
ただ使い込んでいくうちにEOS Rよりも歩留まりが良く、スタジオである程度絞って、顔認証・サーボAFで撮影しているとほぼ100%ピントが来ています。EOS Rもピントに関してはかなり良いと思いますが、R5はさらに磨きがかかっています。
動きものに関してはSONYの方が上だと思います。こちらに向かって歩いてくるモデルと一緒に後ろに下がりながら連写したときなどはα 7R IVの方が歩留まりが良かったです。

画素数

4500万画素は大きすぎず小さすぎずちょうど良いと思います。α 7R IVの6000万画素は取り回しの悪さから、結局クロップして使用することが多かったので、やや持て余していました。その点EOS R5の4500万画素だと大きすぎないけれど、トリミング耐性も担保されている絶妙な画素数だと思います。
クロップで使用しても1730万画素あるので、有効に使えます。EOS Rのクロップ1160万画素だと使用用途によっては微妙に不安が残ります。

ボタン周り

EOS Rを踏襲しつつ、サブ電子ダイヤル・マルチコントローラーが付き、5D mk4に近いボタン配置になっています。
ボタンカスタマイズで、メイン電子ダイヤルをシャッタースピード、背面のサブ電子ダイヤルを絞り値変更に割り当てることで、5D mk4に近い操作感になり、5D系統のカメラからの乗り換えも違和感が少なく使用できます。

EOS RではAFポイントの選択はタッチ&ドラッグで行っていたのですが、個人的にはマルチコントローラーの方が使いやすいです。
SONY α 7R IVはマルチコントローラーでのAFポイントの操作性が今ひとつでしたが、R5は反応も良く止めたいところにきっちり止まるので、使い心地が良いです。
さらに、AFフレーム選択の敏感度を変更できるので、より自分好みの使い勝手にすることが出来ます。

ボタンカスタマイズの豊富さ

ボタンの数が増えたことや、マルチコントローラーが復活したおかげで、EOS Rよりも自分好みのボタンカスタマイズが出来るようになっています。
カスタマイズ例は別記事でご紹介したいと思います。

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オンオフスイッチ

レビュー用にEOS R5を撮影するときに久しぶりにEOS Rを使って気がついたのですが、オンオフスイッチの形状が違います。
R5はスイッチに出っ張りがあって、操作しやすいです。ミラーレスカメラは電池消費が多く、頻繁にオンオフする方も多いと思うので地味ながら良い変更点です。

左 EOS R5 : 右 EOS R

インターフェイス

本体のシンクロ接点、ダブルスロット、N3端子、絞りボタンなど、EOS Rのネガティブな点が改善されています。

ボディにシンクロ接点がついています。
ストロボは基本的にホットシューに取り付けるコマンダーを使用しているので、無くても困らないです。それでも、シンクロ接点があるといざというときの安心感があります。

N3タイプのリモート端子がついています。

メモリーカードはCFexpressとSDカードのダブルスロットに。
テザー撮影時はカメラからカードを抜いているので、そこまでダブルスロットにこだわっているわけではないです。けれど、テザー撮影できないときなど、ダブルスロットの方が安心感が高いシーンは多いです。

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悪いところ

EOS Rからの変更と考えるとスチールメインのカメラとして、正直なところ悪い点は今のところ思い当たりません。
それでも、あえて悪い点を挙げるとすれば以下の通りです。

コスト

ボディ本体が実売で50万円前後と、EOS Rの2倍以上します。個人的には2倍以上の価値はあると思いますが、気軽に買えるような値段ではないと思います。
CFexpressがまだ高額なことや、画素数がEOS Rより上がっていることにより要求されるPCのスペックなどを考えると、導入コストはかなり高くなります。
細かい不満に目をつぶればEOS Rもかなり良いカメラなので、とりあえずフルサイズのミラーレス一眼を使ってみたいという人は50万円でEOS RとRFレンズを買うのもありだと思います。

バッテリー持ち

EOS Rやα 7R IVに比べるとバッテリー持ちが悪い印象です。
SONYと違い、PC接続時も本体の電源をオフにしないと給電されないのと、アイドリング状態でのバッテリー消費量が多いのか、スタジオ撮影時など撮影していないときにカメラの電源をオンにしたままだと結構頻繁にバッテリーを替える必要があります。
上述の通り本体電源をオフにしないとPCから給電されません。モデルカットの着替え中など、ちょっとだけ時間が空く時にいちいちカメラの電源を切るのは意外と面倒くさいので、この点はSONYのように電源オン時も給電される仕様の方が便利です。

まとめ

満を持して発売されたEOS R5。正直、EOS Rが出たときはCanonのミラーレス一眼に対する姿勢に不安を覚えましたが、そんな不安を一蹴してくれる素晴らしいカメラです。
8K撮影時の熱の問題など、ネガティブな点も見受けられますが、スチールメインのミラーレス一眼としてはこの上ない完成度だと思います。
EOS Rを使用しているときの不満点はほぼ解消された上に、より精度の高くなったAFやEOS Rから大幅に改善された連射性能。ミラーレス一眼ではSONYに遅れを取っていたCanonですが、ここにきてミラーレスとしての性能でもSONYに引けを取らないレベルまで達しました。個人的には細かい使い勝手やレスポンスの良さなど、撮影機材としての完成度はSONYよりもCanonの方が一枚も二枚も上手だと思います。
EOS R5で、長年一眼レフカメラを作ってきたCanonの意地と本気をぜひ感じてみて下さい。

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