テザー撮影が快適に?MSL FORCEのUSB-CマグネットアダプターをiPadで試してみた

テザー撮影が快適に?MSL FORCEのUSB-CマグネットアダプターをiPadで試してみた

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こんにちは、フリーランスフォトグラファーのTanaka(@Tanaka__photo)です。

最近は、撮影の9割をiPadでのテザー撮影にしています。
そこで気になってきたのが、USB-C端子への負荷。充電とカメラとの接続を繰り返すことで、端子の劣化が心配になってきました。

そんなときに見つけたのが、最大40Gbpsの高速通信に対応したMSL FORCEのUSB-Cマグネットアダプター。「これだけ高速にデータ転送が可能なら、テザー撮影でも快適に使えるのでは?」と思い、 撮影現場で検証してみました。

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USB3.2 GEN2 40Gbpsの性能を持つ「高速通信できるマグネットアダプター」の存在

最大240Wの給電、8K60Hzの映像出力、USB3.2Gen2で40Gbpsのデータ転送が可能と、高性能なマグネットアダプターです。※「USB3.2 Gen2」は理論上10Gbpsのため、本当に40Gbps対応なら「USB4」か「Thunderbolt 3/4」の可能性があります。実際の転送速度は確認できていないのと、テザー撮影の用途では40Gbpsは必要ないので良いのですが、このあたりの性能に対する整合性には若干の疑問が残ります。

これまでもケーブルの負荷を考慮して、マグネットアダプターを使ってみようと思ったことはありました。ただ、データ転送に関してはUSB2.0で480Mbpsの通信速度の商品がほとんどで、有線のテザー撮影には不向きだと思っていました。

ただ、最近はワイヤレスでのテザー撮影が増え、有線接続の機会が減ったので、iPadの充電はマグネット式にしてもそこまで不都合はなさそうだと思い、導入を検討しました。
色々見ているうちに、高速通信できるアダプターの存在を知り、これならテザー撮影も快適にできるのではないかと試してみることに。

アダプター1つで、1500円以上とやや高めの価格。
同じメーカーでも100W給電、通信速度480Mbpsのアダプターは1000円を切っているので、シンプルに充電だけの用途なら、そちらの方がコスパは良いと思います。

外観とサイズ感

このように、端子の両面に接点があります。

端子まで含めた縦の長さが、約27mm、横幅13mmくらい。
厚みは、縦約12mm、横約7mmくらいです。

パーツ単体ではそこまで大きくないですが、実際にケーブルに接続するとそれなりにボリューム感があります。

先端は大きいですが、愛用のiPadケースにはギリギリ収まるサイズ感。
使っているケースによっては干渉しそうです。

取り付けたiPadに残る方のアダプターの出っ張りは約3.4mm、ケースがないと目立ちます。

筆者が使っているiPadケースも、端子カバーが閉まらなくなりました。
iPadはそこまでハードな環境で使うわけでもなく、このアダプターがあることで、iPad自体の端子の中にホコリが入ることは防いでくれそうなので、ケースの端子カバーは切ってしまいました。

接続されるとうっすらとランプが付きます。
ほんのりとした明かりで、明るい部屋だとほとんど分からないので、デスクの電源周りに使っても眩しくて鬱陶しいこともなさそうです。

実際のテザー撮影での使用感

※音が出ます

実際に、SONY α7RVとiPad Proを使い、CaptureOne mobileでテザー撮影してみました。
RAWはロスレス圧縮Lサイズで、カメラ内のカードと同時記録する設定になっています。

このテスト結果ではアダプターのありなしでは、転送速度にほとんど違いは出ないようです。

ちなみに、この実験で使っているケーブルは、テザー撮影で定番のテザーツールズの代わりとして期待している、コスパ抜群のCable Mattersです。

テザー撮影にはあまり関係ありませんが、給電能力も確認してみます。

iPad Proには問題なく急速充電されています。
右はSmallRig RC60Bというライトで、最大100W給電に対応。このチェッカーだと85W表示になっていますが、ライト本体の液晶は「DCin 100W」の表示になっていました。

残念ながら、手持ちに100W以上で給電する機器がないので試せていませんが、少なくとも100Wは問題なく給電されるようです。

転送速度は問題ないが、横方向の力で外れやすい

アダプターの磁力はそこそこ強力で、ある程度近づけると勝手にくっついてくれます。
充電するときにいちいちケーブルを挿すという動作がなくなるのは、かなり快適。

ただし、アダプターに横方向の力がかかると、簡単に外れてしまうのが難点。
ケーブルに引っかかったときに、端子にあまり負荷がかからないという意味では良いのですが、テザー撮影ではケーブルがちょっと動くと、簡単に外れてしまう問題が発生します。

テーブルの上など平らなところに置いておけば、ある程度安定して使えますが、テザーツールズのケーブルのように固く重いケーブルだと、iPadを立てて使おうとすると、ケーブルの自重で簡単に外れてしまいます。

Cable Mattersのケーブルだと、軽めなので一応くっついてくれますが、少しケーブルに触るだけで簡単に外れてしまい、やはり手持ちカメラでのテザー撮影に使うにはあまり実用的とは言えません。

対策として、テザーガードなどを使ってアダプターへの負荷を逃がすようにしてみました。
こうしてあげることで、ケーブルを動かしたときにアダプター側への負荷が減って、外れにくくはなりますが、根本的な外れやすさは改善されません、そのため実際の撮影で快適に使えるかと言われると正直微妙なところ。

これくらいテープなどでガチガチに固めてしまえば、ある程度は安定はします。

ただ、マグネットアダプターを取り付けてのテザー撮影は、実用するには微妙というのが正直な感想。
特にiPadでのテザー撮影の場合は、iPadを立てておいたり肩にかけたりするので、相性が悪いです。ノートPCの場合は、テーブルに置けばそれなりに安定するので、iPadよりは実用的だと思います。

マグネットアダプターはテザー撮影に最適ではないが…

それでも、端子が1つしかないiPadの場合、端子保護の面ではマグネットアダプターは有効です。
色々検討した結果、現在はこのように運用しています。

  1. 基本はワイヤレスでのテザー撮影

接続が切れると面倒な短時間の撮影や、動きながらのポートレートの場合は、ワイヤレスで繋いでしまった方が都合が良いことが多いです。
ワイヤレスでテザー撮影していると、撮影中にiPad・カメラ両方にUSBで給電できるというメリットもあります。
デメリットは、レンズ交換でカメラの電源を切ったとき。iPadと再度Wi-Fi接続からしなくてはいけないのが地味に面倒です。

  1. 物撮りなど長時間の撮影のときに有線接続

物撮りの場合は、撮影中にテザー撮影の接続が切れてもそこまで問題ないのと、レンズ交換の頻度が高いので、マグネットアダプター経由で有線接続しています。
他に、人物撮影でレンズ交換する余裕がある撮影の場合は、多少接続が切れても問題ないような撮影が多いので、有線で繋いでしまいます。

性能は優秀。ただしテザー撮影で使うには考慮すべき点がある

マグネットアダプター単体としての性能は非常に優秀です。
転送速度・給電性能ともに文句なし。

しかし、ケーブルの抜けやすさから、iPadでのテザー撮影との相性はイマイチ。
充電用や、机上で安定して使える環境であれば非常に便利な製品です。特に充電用途ではケーブルを抜き差しするのが面倒になるくらい必須アイテムになります。

iPadの端子保護を意識して、快適な撮影環境を整えたい方には、選択肢のひとつとしておすすめできるアイテムです。

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Tanaka Toshiyuki
都内在住フリーランスのカメラマンです。
ファッション・ポートレート・物撮りなどを中心に活動しています。

このブログではカメラ・機材やガジェットなど撮影に役立つものを中心に紹介しています。

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