大光量でお手頃価格なコスパ抜群のLEDライト：NANLITE FS-300B レビュー

撮影用LED照明の進歩は目覚ましく、大光量のLEDライトでも比較的手頃な価格で手に入るようになってきています。

以前、NANLITEのスティック型LED照明をレビューしました。

飛び道具的なライトとして遊び半分で買ってみたPavoTubeですが、コストパフォーマンスの良さとクオリティの高さでかなり気に入っています。

NANLITEへの信頼度もかなり高くなったので、新たに大光量のLEDライトを購入してみました。
使い慣れたストロボのような感覚で使用できるモノブロック型で、スチール・ムービー両方で大活躍しての「NANLITE FS-300B」を紹介します。

開封・外観

ダンボールがそのままパッケージになっていて、この箱のまま配送されてきました。
FS-300Bには持ち運び用のバッグが付属していないので、このまま持ち運びに使うのもアリかもしれません。

中身は、ライト本体・リフレクター・電源ケーブルなど。

リフレクター

直径約18cmの標準的なサイズのリフレクターです。
内側は反射効率の良さそうなボコボコとした鏡面になっています。
後述しますが、リフレクターを装着することで約1段くらい明るくなります。

標準のボーエンズマウント。

リフレクターの高さは約14.5cm。

電源ケーブル

電源ケーブルにはしっかりとした幅広の面ファスナーが付いています。
太すぎず細すぎずで、取り回しが良いケーブル。長さは約4.5mと、ライトを高めに設置するときにも十分な長さがあります。

プラグは3ピンです。変換アダプターが付属しているのが地味に助かります。購入したらそのまま使えて便利です。

ライト本体

NANLITEには、上位モデルのForzaというシリーズのライトがあります。
Forzaシリーズはストロボのジェネレータータイプのように、発光部と電源部が分かれていて、発光部がコンパクトです。
今回購入したFSシリーズは、発光部と電源部が一体となったモノブロックタイプなので、本体は大きめ。

FS-300Bは約3kgとなかなかのヘビー級。
Forza 300Bは発光部が2.3kgとのことなので、トップライトや高所での設置の場合はForzaの方が取り回しが良さそうです。

Forzaと比べると大きく重いFS-300Bですが、以前から使っているGODOX SL-150Wと比べるとだいぶコンパクトです。

スタンドとの接合部がコンパクトに収まるので、収納性は高い。
スペック上のサイズは、346×233×123mm。

実際に収納する場合の長辺は、約370mmくらいです。

シンクタンクフォトのレトロスペクティブ30にぴったり収まります。
リフレクターと電源ケーブルも入るので、このバッグでFS-300B一式を持ち運べます。

本体はしっかりとした頑丈な作り。
本体を支えるスタンドとの接合部分も分厚い金属でできています。ノブはプラスチックのようですが、大型で操作性は良好。

スタンドと本体の接合部分にギザギザが入っていて噛み合うようになっているので、重いソフトボックスを取り付けてもお辞儀せずにしっかりと止まります。
使い勝手に関わる細かい部分がしっかりしていて、使用するユーザーのことを考えて作られたライトです。

大型のハンドルは操作性が高い。

本体の上下がメッシュになっていて、この部分に大型の冷却ファンが入っています。
従来製品より静音化されたファンということで、そこまでうるさくはないです。

最大出力が25％までに制限されてしまいますが、ファンをオフにすることも可能です。

完全に上に向けることができます。
構造的にスタンドの中心に本体がくるので、上に向けたときのバランスが良いです。

ライトの使い勝手

FSシリーズは、基本的にCSPチップを使用しているようなのですが、FS-300BはCOBチップのようです。

色温度が調整可能（バイカラー）で、シマシマ模様のLEDです。

以降のライトテストは、基本的に出力100％、色温度5600Kで行っています。

リフレクターなしで直接ライトを当てると、影のエッジがシャープ。
リフレクターありの場合は、影のエッジがぼやけて二重になっています。
左斜め上から、約1ｍの距離でライトを当てています。

リフレクターありの方は、集光されるのでスポット気味になっていて、周辺がすこし暗く落ちています。中心に集光している分、リフレクターなしと比べると中心部は約1段分くらい明るくなります。

大光量を生かして、120cmの大型ソフトボックスを試してみます。
ライトと椅子の距離は約1.7m。天井が低く白いので、天井に当たった光もバウンスしています。

椅子の上の露出計は　SS 1/125、F 2.8、ISO 400。
このサイズのソフトボックスでも、これだけの明るさを確保できるので、スチールでもメインライトとして十分使える光量です。

次は、天井バウンスさせてみます。露出計の値はさっきのソフトボックスとほとんど同じ。
この状況写真自体が、SS 1/80、F 4.5、ISO 400なので、バウンスさせても広い範囲を明るく照らすことができます。

被写体との距離約1.5mで、リフレクターありなしを比較してみます。

小物のときと同じで、リフレクターありだと中心部は1段くらい明るいです。
影のエッジはぼんやりとし、スポット効果で周辺は光量落ちします。

リフレクターなしは集光しない分、中心部の光量は落ちますが、周辺まで光が回っています。影のエッジもくっきりとシャープに。

アンブレラホルダーがあるので、そのまま傘を装着することが可能です。

ホルダーの位置が左に寄っているので、傘の中心からはややズレますが、光の当たり方的には許容範囲だと思います。

付属のリフレクターは傘用の穴がないので、併用することは出来ません。

スチール・ムービー両方でメインライトにできる大光量

NANLITE FS-300Bは、350Wの高出力で、大型ソフトボックスやバウンスでの使用の場合もかなりの明るさを誇ります。
ハウススタジオなどで、地明かりの補助光として使う場合も、バイカラーなので簡単に合わせることができて便利です。
モノブロック型なので、スチールカメラマンでも普段使い慣れたストロボと同じような感覚で扱えてとっつきやすいのも好感が持てます。
ちょっと大きくて重い以外、ほとんど弱点のないFS-300B。ここまで高性能なのに59,400円と価格も手頃で、コスパ抜群のLED照明です。