Kensington Expert Mouse の愛用者目線で Pro Fit Ergo Vertical ワイヤレストラックボールをレビュー

Kensington Expert Mouse の愛用者目線で Pro Fit Ergo Vertical ワイヤレストラックボールをレビュー

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2016年にケンジントンのExpert Mouseを買って、故障することもなく約7年間愛用しています。
トラックボールは使い始めは戸惑う面もありますが、慣れてしまえばマウスに戻ることができないくらい秀逸なポインティングデバイスだと思います。
Expert Mouseに不満があるわけではないのですが、いわゆる親指トラックボールの方が手首の角度的に負担が少ないのではないかと思い、「Kensington Pro Fit Ergo Vertical ワイヤレストラックボール」を買ったので紹介します。トラックボールがマウスよりも良いとかではなく、大型ボールのExpert Mouseとの比較目線でのレビューです。

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Kensington Pro Fit Ergo Vertical 外観

全体像はマウスとそこまで変わらない見た目です。

ボロボロでお恥ずかしいですが・・・

Expert Mouseは、マウスとは完全に別物な形状とボタン配置です。
それに比べるとErgo Verticalの方はマウスに近いので、乗り換える場合は入りやすいかもしれません。

親指で操作するタイプのトラックボールには、傾斜がついているものが多いです。Ergo Verticalは60度の傾斜があり、他のトラックボールより角度がきつめになっています。
角度や形状などは個人によって合う合わないがあるので、家電量販店で何種類か触ってみたうえで、1番しっくり来たErgo Verticalに決めました。

白い本体とシルバーのボールで、ワントーンにまとまっていて統一感があります。
個人的には手で触るデバイスが白いと、使い込んでいくうちに汚れが目立つようになるのが気になってしまうので、本当は黒が欲しかったです。以前は黒の有線タイプがあったようですが、現在は白で無線タイプしか販売していないようです。

Expert Mouseは4つのボタンがありますが、Ergo Verticalにはスクロールホイールも含む9つの割当可能なボタンがあります。

左右クリックボタンはクリック音が大きめなので、静かな環境だとやや気になりそうです。スクロールホイールはプラスチッキーで見た目の高級感はないですが、スクロール自体は滑らかで使いやすいです。

左の写真のボタンは人差し指で押しやすいので、ブラウザの進む・戻るを割り当てています。
右の写真の、本体横の3つのボタンですが、1番右はワイヤレスの接続方式切り替えボタンで、機能を割り当てることはできません。トラックボールの主な用途がブラウジングで、進むと戻るだけで充分なので、今のところ何も割り当てていません。1番左のボタンは親指で押しやすいので、頻繁に使う機能を割り当てると良さそうです。一方、真ん中のボタンはやや押しにくさを感じる配置です。

デバイス本体のボリューム感に比べると、裏面はすっきりとした形状でデスクとの接地面は狭めです。
裏面には滑り止めがありますが、デスク上ではまあまあ滑ります。

Kensingtonロゴが入ったパーツがUSB接続用のレシーバーです。
筆者の環境だとUSB接続が安定せず、Bluetooth接続で使用しています。今のところ、Bluetoothでの接続は遅延などあまり感じず安定して接続できています。

単3電池での駆動です。電池2本で約18ヶ月使用可能とのこと。
PC周りは充電しやすい環境だと思うので、充電式の方が便利かなとは思います。ただ、1年以上は余裕で電池が持ちそうなので、交換頻度も高くなく電池式なのがそこまでのデメリットでもないと思います。
Expert Mouseは有線のものを使っていて、個人的には入力系のデバイスは有線が良いと思っているので、Ergo Verticalも無線・有線の選択肢があれば嬉しかったです。

電源・DPIの変更、ペアリングボタンなどは裏面にあります。
基本的に一度設定してしまえば、頻繁に使うことはない部分なので、裏面で不便はないです。
Expert MouseにはDPIの切り替え機能はないので、DPIの切り替えはこまめにするものなのかどうか、いまいちピンときていません。作業によってDPIを切り替えて使うというような場合は、裏面にあるのは不便そうです。

大きめの丸いボタンを押すとボールが取り外せます。

取り外しは物理です。ボタンを押すと棒が出てきます。
ボールが小さくてつまみにくいのと、結構ピッチリとハマっていて逆さにしても出てこないので、ボタンは便利です。Expert Mouseは逆さにすると外れます。

Ergo Verticalの使い勝手は・・・

60度の傾斜がついたErgo VerticalはExpert Mouseと比べると、手を置いたときに肩から手首にかけて自然な体勢になっているように感じます。Expert Mouseでは手のひらを真下に向けているので、やや手首を回している感があるのですが、Ergo Verticalは座った状態で自然にデスクに手を置いている感じになるので、腕への負担感がほとんどありません。

手で持つというより、手を添える感じになります。
裏面の滑り止めはあまり強くありませんが、本体の重みもありクリックで動いてしまったりはしません。

手のひらと手首のつなぎ目あたりの出っ張っている骨と、手のひらの側面が机に当たる感じになって、ちょっと気になったので、リストレストを追加で購入しました。

購入したのはナカバヤシのリストレストです。
横幅13cmくらいの小ぶりサイズ、デスク上でも邪魔になりにくいです。価格は1000円くらい。試しに買ってみましたが、触り心地やサイズ感が良い感じです。

リストレストに手首を置くことで、手が自然に浮いた状態になり、手首や手のひらの側面の不快感が減ります。

リストレストは裏面が全体的に滑り止めになっていて、ズレにくいです。

リストレストを追加して、Ergo Verticalを使い始めたのですが、どうもしっくりきません。
ボールの回転にやや引っかかりを感じ、Expert Mouseほど快適に操作できませんでした。ボールの引っかかりが気になるというレビューがあり、ペリックスのボールと交換したら解消されたとのことだったので、追加購入しました。

購入したのはペリックスの34mmの交換用ボールです。
カラーは何種類かあるのですが、パープルを買ってみました。実物はAmazonの商品画像よりも暗めの色です。暗い部屋だとパッと見では黒に見えなくもない感じです。

このノギスの正確性も怪しいところはあるのですが、ペリックスの方はジャスト34mmです。

ペリックス:約25.3g 付属のボール:約24.7g

ペリックスのほうがツルッとした感じです。
持った感じではペリックスのほうがやや重く、しっかり感があります。

問題なくErgo Verticalに装着できます。
ボールでそこまで変わるのか懐疑的でしたが、全然違いました。
ポインターを大きく動かしているときはそこまで気にならないのですが、ブラウザで文章の一部分を選択するような細かい動きをするときは、明らかに付属のボールよりもペリックスのボールの方が滑らかに動かすことができます。

Ergo VerticalとExpert Mouseの使い心地を比較

交換用のボールなど追加で余計な出費が出てしまいましたが、Ergo Verticalを本格的に使い始めてみました。

KensingtonWorksというアプリで、ボタンの割当やポインターの設定ができます。
トラックボールの使い心地はポインタースピードの設定がかなり重要です。使用環境や作業目的によっても最適な設定は変わってくるので、使いながらベストな調整を探っていきます。
ただ、Ergo Verticalは設定を詰めても、使い慣れたExpert Mouseほどの快適な操作感が感じられません。

そのように感じた主な要因がボールの直径の違いです。
並べるとはっきり分かりますが、Expert Mouseの55mm経のボールはかなり大きいです。ポインターを大きく動かす分には、ポインタースピードの調整でボールの大きさの差は吸収できます。ただ、文章の一部を選択するときなど、大きいボールの方が遥かに繊細なポインターのコントロールが可能です。

さらにボールの操作方法でも、かなりの違いを感じます。
Ergo Verticalの場合は親指の可動域の制限で、上下移動(特に下への移動)に窮屈さを感じます。それに対してExpert Mouseは人差し指と中指の腹でざっくりと操作しつつ、細かい部分は人差し指の指先で操作しています。このボールの操作方法だと親指に比べて可動域が広くなるので、ポインターの上下操作が快適です。
さらに、Expert Mouseは手の平を下向きにしているので、ブログなどの原稿を書いているときに、トラックボールとキーボードの操作を自然に切り替えられます。Ergo Verticalは手首の角度の自然さはあるのですが、キーボードと行ったり来たりするときにExpert Mouseの自然な動きに慣れている分、腕の移動で違和感を感じてしまいます。

ペリックスのボールに変更したErgo Verticalは、それ単体で見ればけして悪いトラックボールではありません。
60度の傾きは、手を置いたときの角度が本当に自然でExpert Mouseよりも腕や手首への負担が少ないと思います。さらに、Expert Mouseと比べカスタマイズできるボタンがかなり多い点は、使い方によっては外せない要素になり得ると思います。
Ergo Verticalはトラックボールに興味があって、マウスからの移行の場合はExpert Mouseよりも自然に切り替えられそうです。
ただ、今回2つのトラックボールを比較してみて分かったのは、ポインティングデバイスとしてのトラックボールの真価は、大口径のボールのトラックボールを使ってこそということです。それでも、あえてErgo Verticalの方が良いと思える点を挙げるとすれば、

  • マウスに近い形状のため乗り換えに違和感が少ない
  • 多ボタン
  • 接地面積の少なさ(省スペース)
  • 傾きによる腕への負担減
  • 持ち運ぶ必要がある場合の可搬性

といった点かと思います。この辺りの条件でどうしても外せないものがある場合は、Ergo Verticalを買ってみるのもありかと思います。ただ、トラックボールの本当の良さが分かるのは大きいボールを使ってこそだと思うので、購入で迷っている場合はExpertMouseをオススメします。

動画でレビュー

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Tanaka Toshiyuki
都内在住フリーランスのカメラマンです。
ファッション・ポートレート・物撮りなどを中心に活動しています。

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