クイックリリース化することで撮影ごとに雲台を交換して使い分け:Kirk TQR-2L & SmallRig KDBC2406

クイックリリース化することで撮影ごとに雲台を交換して使い分け:Kirk TQR-2L & SmallRig KDBC2406

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Hejnarのアダプターを装着して、Manfrotto ギア付きジュニア雲台410をアルカスイス化しました。

これまではManfrotto 475BにManfrotto 410を、Manfrotto 755XBにKirk BH-3という自由雲台を付けていました。スタジオなどで腰を据えたブツ撮りのときは大型の475Bを使い、人物・取材撮影などのフットワークが必要なときは小型で軽量な755XBという感じで、三脚を使い分けていました。
使うかは分からないけれど、一応三脚を持って行っておくようなシチュエーションでは軽量な755XBを持っていくのですが、ブツ撮りの場合はギア雲台を使いたいので、いちいち雲台を付け替える必要があります。この付替え作業が地味に面倒くさいので、雲台もクイックリリース化してしまおうと、Kirk TQR-2LとSmallRig KDBC2406を購入しました。
雲台をクイックリリース化するこれらのパーツのおかげで、三脚使用の快適さが劇的に向上します!2つのパーツを比較しつつレビューします。

コンテンツ

外観

Kirk TQR-2L

右からクランプとプレートセット(TQR-2L)、ラージサイズプレート、スモールサイズプレートです。
スモールサイズのプレートとピッタリ合う一回り小さいクランプ(TQR-3S)もあるのですが、そちらのクランプにはラージサイズのプレートが装着できないので今回は購入していません。
スモールサイズのプレートはラージサイズのクランプには装着可能です。
B&Hで購入しました。クランプセット×2、ラージプレート×2、スモールプレート×1を購入して、送料諸々込みで、$400くらいでした。

クランプセットの内容物。取り付け用のアーレンキー、ネジ、謎のシールが入っています。
イモネジは先の尖ったタイプです。取り付けた時に雲台や三脚に傷が付いてしまいそうですが、平らなイモネジよりもしっかり止まりそうなので、個人的には尖っている方が良いかなと思います。
クランプは約210gで重量感があります。

クランプ外観

クランプ部分はこんな感じです。締め付け部分のネジが露出しない作りになっています。
プレート裏の脱落防止ネジがハマるように窪みがあります。この窪みが厄介で、取り付けたいクイックリリースプレートの脱落防止ネジの幅がこの窪みの範囲内でないと取り付けすることが出来ません。これのせいで、他のプレートとの互換性が低くなっています。
同じKirkの汎用プレートであるPZ-17ですら脱落防止ネジを付けたままでは、このクランプに取り付けられないという謎の仕様です。

クランプにはメモリが印字されています。

クランプノブは大きくて、操作しやすいです。作りも良く、高級感のある仕上げです。

クランプ裏面は平面になっています。脚部への取り付けは3/8インチの太ネジです。
ネジ穴横には回転防止用のイモネジがあります。

クランプ底面が約72mmくらい。

水準器の端からノブの端までが約112mmくらい。

クランプ部分の高さが約30mmくらい。プレートを取り付けたときの高さが約37mmくらいです。

プレート外観

ラージプレート
スモールプレート

高級感のある仕上げがされたプレートです。手触りもよく、エッジの部分は丸みをつけてあります。

ラージプレート裏面
スモールプレート裏面

雲台の回転防止のためのイモネジ用のねじ切りが、ラージプレートは4箇所、スモールプレートは2箇所あります。
裏面の突起部分がクランプの窪みとハマるようになっています。この突起部分は一体成型なので、取り外しはできません。この突起のせいで取り付けの汎用性が下がっています。

スモールが約50mm、ラージが約62mmくらいです。

SmallRig KDBC2406

SmallRigの箱は妙にしっかりしてます。Kirkの半額以下ですが、パッケージだけならこっちの方が高そうです。

回転防止のイモネジはプレートとクランプ用に2本ずつ付属しています。
Kirkと違ってイモネジは先が平らになっています。

クランプ外観

クランプは円形ではなく不思議な形をしています。
イモネジ取り付け用のネジ穴が3つあります。脚部との取り付けは3/8インチネジです。

メモリはKirkよりも細かく書いてあります。

クランプの開閉はSmallRigもノブ式です。こちらのノブもローレット加工されています。回しにくいわけではないですが、Kirkと比べてしまうとチープさを感じます。

プレートロックの周辺はこのような感じです。開いた状態だとネジが露出しています。

クランプ裏面は肉抜きされていて、Kirkのクランプよりも軽量です。

クランプの直径が約65mmくらい。

ノブの部分まで含めると、約84mm程度です。

プレートを含めた高さが、約25mmくらい。クランプ部分だけだと約18mmくらいです。

プレート外観

プレートもクランプと同じ黒色です。雲台への取り付けは3/8インチネジで、イモネジは中心付近と外側の二箇所にあるので、プレートに対して底面が小さい雲台を取り付ける場合もイモネジで固定することが出来ます。
ゴムの滑り止めが貼ってあります。

裏面には脱落防止用のネジが付いています。Kirkと違ってネジなので外すことが出来ます。

雲台への取り付けネジはこのような感じです。

プレートは約57mmくらいです。Kirkのスモールとラージの中間くらいのサイズ感です。

使用感

ラージプレートを取り付けたときはこのような感じです。

スモールプレートの場合はクランプの余りが多くなりますが、問題なく装着できます。
雲台を取り付けた際の剛性感が高く、接続部が増えることによるブレへの影響は殆どなさそうです。クランプのノブが少ない回転でロック・アンロックができて、頻繁に雲台を交換するときのストレスも少なくて済みます。

SmallRigのクランプには手持ちのカメラ用プレート含めほとんどすべてのプレートが取り付けできました。
アルカスイスタイプのプレートだと、雲台無しで三脚にカメラを直接取り付けることが可能です。
Kirkほどではないですが、作りはしっかりしていて今のところ使用していて不安な感じはありません。
雲台の付け外しのとき、Kirkよりもノブを回転させる量が多いので、雲台交換の快適さはKirkが上です。

この雲台のクイックリリースシステムを導入して一番便利だったのが、Manfrotto 131DBのアクセサリーアームを使用しての俯瞰撮影です。
今まで三脚の雲台取り付け部分に直接アクセサーリーアームを取り付けたり、Manfrotto 410のクイックリリースプレートを取り付けて、雲台上に取り付けたりしました。三脚に直接つけている場合は持ち運びの際にいちいちアクセサリーアームを外さないといけなかったり、ネジが緩む方向に力がかかるとアクセサリーアームが回転してしまったりと非常に不便でした。
けれど、アクセサリーアームにプレートとクランプを付けることで、通常の撮影から俯瞰撮影に組み替えるときも非常にスムーズに移行できるようになりました。

アルカスイスタイプの接続なので、雲台と組み合わせることも可能です。アクセサリーアームの下に雲台を入れることで、俯瞰撮影時の構図の調整がしやすくなります。
上の写真ではアクセサリーアームの先端に雲台を付けていますが、先端のクランプに直接カメラを取り付けることも可能です。

雲台に雲台を取り付ける遊びも出来ます。この組み合わせは実用性が無さそうですが、アイデア次第で可能性が広がりそうです。

まとめ

三脚と雲台の付け外しをクイックリリース化してくれる2商品のご紹介でした。
Kirkの方は2万円弱、SmallRigのものでも5000円くらいはするので、三脚のパーツとして考えると高額です。
物としての質感や操作性はKirkの方が遥かに上ですが、入手のしやすさやコストパフォーマンスではSmallRigに軍配が上がります。とりあえず試してみたい方はSmallRigの方でぜひ試してみて下さい。
雲台やカメラ周りをアルカスイス規格で揃えている場合は、三脚の利便性が飛躍的に向上します。
雲台を脚から取り外すことで、三脚の可搬性が増したことと、用途によって使い分けていた雲台と脚の組み合わせの自由度が増したことで、三脚を持ち出す億劫さが減ります。

2024年3月追記

残念ながらSmallRig KDBC2406はディスコンのようです。
下記リンクのように独自規格のクイックリリースシステムは何種類かありますが、汎用性などを考えるとアルカスイスタイプでクイックリリース化する方が便利だと思います。

Kirkは日本国内ではスタジオJinさんが正規で取り扱っているので、気になる方はHPを覗いてみてください。

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Tanaka Toshiyuki
都内在住フリーランスのカメラマンです。
ファッション・ポートレート・物撮りなどを中心に活動しています。

このブログではカメラ・機材やガジェットなど撮影に役立つものを中心に紹介しています。

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