こんにちは、フリーランスフォトグラファーのTanaka(@Tanaka__photo)です。
店舗取材などの撮影では、できるだけ機動力を優先したい場面が多くあります。
機材を最小限にする必要があるときは、クリップオンストロボをカメラに付けて、天井バウンス―いわゆる天バンライティングで撮影することも少なくありません。
ただ、撮影時にライトをカメラから離せば、光の作り方の自由度が一気に上がります。ライトスタンドを使ったオフカメラライティングは、撮れる写真の幅も大きく変えてくれます。
とはいえ、普段使っているライトスタンドを店舗取材に持っていくと、サイズや置き場所、重さなどで持て余しがち。
電車移動の場合は、スタンドを持ち運ぶためのバッグも邪魔なことが多く、できるだけコンパクトで身軽に動けるようにと考えると、ライトスタンドは諦めるシーンもありました。
「コンパクトで持ち運びやすく、電車移動でもとりあえず持って行こうと思えるライトスタンドがあれば便利かも」
そんな動機で気になったライトスタンドが、Ulanzi AT-05です。
収納サイズと携行性|“持っていける”という価値

AT-05の一番の魅力は、やはり収納時のコンパクトさ。
折りたたむと、全長は約48.5cm、直径が約4.5cmとライトスタンドとしてはかなり短く細くなります。

手持ちのライトスタンドの中でも比較的コンパクトなマンフロット1052JBACと比較すると、AT-05はかなり小さく感じます。
カメラリュックに入れるのは難しいものの、このサイズ感なら電車移動の際も手持ちで持ち運ぶことも十分可能。もしくは大きめのローラーバッグなどであれば、無理なく収まります。
店舗取材では、スタンドバッグを持っていくと置き場所に困ったり、移動時に邪魔になったりすることも多いのですが、AT-05なら邪魔になりにくく、「とりあえず持っていく」という選択がしやすくなります。
実際に使ってみて、この持ち出しやすさそのものが価値だと感じました。
重量と作り|軽そうに見えて、実はしっかりしている

見た目からは軽量なスタンドを想像していましたが、実際は約1.2kg。
手で持つと思った以上に重量感があります。ライトスタンドはそれ自体があまりに軽すぎると安定性が低下しがちなので、この重さは安心感にもつながる部分。


AT-05は金属パーツが多く使われており、しっかりとした作りです。
1万円前後と価格はそこまで安くありませんが、安価な軽量スタンドにありがちな、頼りなさやグラつきは少なく、価格に見合ったクオリティ。
「コンパクトだけど、ちゃんとライトスタンドとして使えるアイテム」という印象です。

脚の底面にはゴムが付いているため、フローリングの床などでも傷がつきにくそうなのも好印象でした。取材先などで使うことを考えると、こういった細かい配慮もありがたいポイントです。

先端はオスダボ仕様で、取り外すことはできません。
1/4インチネジが付いているので、ライトスタンド以外の用途で使うことも可能です。
展開時の高さと実用性


収納時はかなりコンパクトですが、展開すると最大で約2mほどの高さになります。
約178cmの筆者でも、クリップオンアダプターを付けた状態では、ライトに手が届かないくらいの高さまで上げることができました。

1052JBACと比較しても、ほとんど変わらない高さまで伸ばすことができます。収納時のコンパクトさや可搬性を考えるとかなりの高さ。
実際に取材先で使う場合、クリップオンライトや小型LEDをバウンスさせて使う用途では、必要十分です。収納時のコンパクトさと、展開時の実用的な高さのバランスは、かなり良く感じました。
脚の開きと安定感|便利さと引き換えの制約

AT-05はコンパクトさゆえに、脚の開きは1052JBACと比べると狭めです。

脚部の開き具合には目安の数字が振ってあります。
この部分にロックはなく、無段階で広がりを調整することが可能。この可動部は工作精度も良く、滑らかに動きます。


数字の1に合わせると約50cm、最大で約60cmの開き具合となります。
無段階で調整できるものの、実際にスタンドとして使用するときは、安定感の面で最大まで開いて使うのが無難だと感じました。

Profoto D1のような重量のあるモノブロックストロボも一応載せることはできました。
ただ、安定感という面ではかなり不安があるので、オススメできる使い方ではありません。
クリップオンストロボやSmallRig RC60Bのような軽量なLEDライトであれば問題なく使えますが、重量のあるストロボや大きなソフトボックスなどのアクセサリーを載せる用途には、正直なところ向いておらず、AT-05は軽量機材専用と割り切った方が安心です。
高さ調整機構と操作性のクセ

高さ調整は、三脚のナットロックのような方式。
上下2つのロックがあり、捻ることでロック・アンロックします。やや癖はあるものの思ったより操作性は悪くなく、単純に高さを変えるだけであれば、特に不便は感じませんでした。
ただし、高さ調整の際にスタンド自体を回転させる構造のため、ライトを載せたまま操作するのはやりづらいです。さらに、通常のネジでロックするタイプのライトスタンドであれば、ロックを緩めてライトの向きだけを回転させて調整できますが、AT-05の場合はスタンドごと回す必要があるのが、使っていてやや面倒に感じました。

底面のロックボタンを押しながら、開脚する必要があります。
手で持ち上げて開くよりも、ダボ部分を地面に着けて操作すると比較的簡単に開脚でき、慣れてしまえば問題はないものの、 この押しながら開くという操作が、最初はかなりやりづらく感じた部分です。
通常のライトスタンドに慣れていると、高さ調整や開脚にはややクセを感じるものの、コンパクトさとのトレードオフと割り切って付き合っていくのが良いと思います。
「とりあえず持っていく」という選択肢

店舗取材などで、邪魔になりそうなのでスタンドバッグを持っていくのはためらう場面でも、オフカメラでのライティングの選択肢は用意しておきたい、という場面がよくあります。
AT-05は、そういうときでも「とりあえず持っていく」という判断がしやすいスタンドです。
実際にライティングに使わなかったときも邪魔にならず、テザー撮影用のiPadスタンドとして活用したりできています。
結果として、持って行くことで撮影のセッティングの柔軟性が少し上がる。
そんなライトスタンドだと感じました。
Ulanzi AT-05はどんな人に向いているか

Ulanzi AT-05は、以下のような人に向いているライトスタンドだと思いました。
- 店舗取材や現場撮影が多い人
- 電車移動やワンオペで機動力を重視したい人
- メインのライトスタンドとは別に、軽くコンパクトなものを探している人
- 大げさな荷物を増やしたくないが、セッティングの選択肢は増やしたい人
スタジオなどでしっかりとしたライティングを組むときは、正直なところ使い物になりません。
どのような場面でも使えるような万能なスタンドではありませんが、持ち運びやすさは従来のライトスタンドとは段違い。
使いどころがはっきりしている分、ハマる場面ではとても便利な一本です。
