こんにちは、フリーランスフォトグラファーのTanaka(@toshiyuki_tanaka_photographer)です。
写真データの納品方法を少し見直しました。
これまでは、仕事の写真納品でも、特に指定がなければギガファイル便などのファイル転送サービスを使うことが多くありました。
送った後のことはあまり気にしていなかったのですが、ある時、自分がギガファイル便でデータを受け取る機会があり、そのときにまず気になったのが、広告の多さです。
もちろん無料で大容量データを送れるサービスなので、広告が出ること自体は当然です。
ただ、受け取る側として画面を開いたときに、閉じるボタンが分かりづらい広告が増えてきて、ちょっとしたストレスになりそうだと感じました。
そのときに、「自分の納品のときにも、相手に同じような印象を与えていたのでは」と思いました。
写真の納品は、きちんとデータを送れれば十分なのですが、そこからさらに一歩踏み込んで、ダウンロードページを含めた納品体験まで含めて、気持ちよく受け取れる方法はないものかと考えた結果、pCloudというクラウドサービスが写真納品にピッタリだったので、紹介します。
Google Driveも試したけれど、少し違った
候補としてまず思いついたのはGoogle Driveです。
仕事で使っている人も多く、受け取った側も安心感があると思います。ただ、Google DriveのUIには、個人的に少し分かりにくさを感じています。
さらに、リンクを開いたときに自分のログインしているGoogleアカウントで表示されるのが今ひとつ馴染めず…。
また、Google Oneのベーシックプランは100GBで年2,900円なので、仕事で使うと考えれば十分妥当な金額ではあります。ただ、100GBだと納品データを長期間置きっぱなしにするには少し容量不足なので、こまめにデータを整理する必要があります。
さらに、このご時世にサブスク契約をまた一つ増やすことにも、少し抵抗がありました。
金額の大小というより、仕事で採用すると、今後仕事をしていくうえで払い続けていくことになります。サブスク契約してしまうと、値上げがあっても仕事上必要な場合は、使い続けるしかないことが多いので、その点でちょっと気になりました。
pCloudには買い切りプランがある
そこで試してみたのがpCloud。
欧州品質。
スイスレベルのプライバシー保護。
pCloudは、プライバシーを最優先に考えた、安全で信頼性の高いクラウドストレージを提供しています。スイス拠点のクラウドサービスとして、世界で最も厳格なデータ保護基準を遵守しています。さらに、強力な暗号化技術により、お客様のファイルを常に安全に保護します。
妥協なし。トラッキングなし。第三者のアクセスなし。
という、謳い文句のクラウドサービスです。
最初は無料枠の10GBの範囲で試しに納品に使ってみました。最近のWEB用途中心の写真納品であれば、意外とこれでも何とかなります。
筆者の場合は、WEB用途ではひとつの撮影企画に対して合計で500MB前後の納品が多いので、10GBのストレージでも、ある程度の間データを残しておいて、ダウンロード期間を取ることも可能でした。
印刷媒体用の重いデータなどは別途、ファイル転送サービスで送るという感じで、2ヶ月ほど試してみたところ、特に納品で問題が生じることもなく、快適に使えたので、買い切りプランを購入してみることに。
納品してから少し時間が経って、「すみません、ダウンロードし忘れていました」と連絡が来ることもあります。容量に余裕のあるプランにすることで、一定期間納品データを自由にダウンロードしてもらえるようにできます。クライアントにとっても、余計な連絡をする手間が減って利便性が増します。
執筆時点では、pCloudの買い切りプランは500GBで200ドル、2TBで400ドルほどでした。
価格はキャンペーンなどで変わる可能性がありますが、長い目で見ればサブスクよりも元が取りやすいと感じました。
もちろん、クラウドサービスである以上、サービス自体が将来的にどうなるかという不安はゼロではありません。それでも、納品用のクラウドとして考えるなら、かなり現実的な選択肢だと思います。
Finderからそのまま納品できるのが便利
実際に使ってみて便利だと思ったのは、MacのFinder上でアップロードやリンクの取得がそのままできることです。

完成した納品データをFinder上のpCloudフォルダに入れる。アップロードが完了したら、そのまま右クリックで共有リンクを取得して、メールで送る。これだけで納品が完了します。
これまでは、書き出したデータをZIPに圧縮して、ブラウザでギガファイル便を開いて、アップロードが終わるのを待って、URLをコピーしてメールに貼る、という流れでした。
ひとつひとつは大した手間ではありません。ただ、納品のたびに毎回やる作業なので、その手間が少し減るだけでも思った以上に快適です。
ただ、最初の設定は少し苦労しました。
pCloudをMacのFinderにマウントして、普段のフォルダと同じように扱える状態にするまでに、OSのセキュリティ設定などやや煩雑な部分があり、少し迷いました。
最近のmacOSはセキュリティまわりがかなり厳しくなっているので、システム設定で許可を出したり、場合によっては再起動が必要になったりします。
アプリをインストールして即快適に使えると思っていると、少し裏切られた気分になるかもしれません。ただ、一度設定できてしまえば、安定していて内蔵ディスクとほとんど変わらない感覚で使えます。たまに動作が不安定になるときもありますが、Finderの再起動で解決することがほとんどで、今のところは特に問題なく使えています。
一度マウントできれば、「納品用のクラウド」としてはかなり使いやすいです。このFinder上でアップロードからリンクの取得までが完結することが、pCloudを使うメリットだと感じました。
独自の納品ページのように見せられる
さらに良いと感じた機能が、共有ページのブランディングです。
pCloudでは、自分のロゴや簡単なメッセージを表示したダウンロードページを作れます。実際に設定してみると、単なるクラウドストレージの共有リンクというより、自分専用の納品ページのような表示にできます。

リンクを開くと写真が一覧で表示され、右上にはダウンロードボタンがあります。画面全体で説明は必要最低限なので、シンプルで洗練された印象です。
ただ、受け取った相手によっては少し分かりづらい場合もありそうなので、初めて送る場合などはメールの文面に「(ダウンロードボタンから一括ダウンロード可能です。ブラウザ上でそのまま内容も確認いただけます。)」のような注意書きをしています。
それ以外は、広告もなく余計な情報も少ないスッキリとしたインターフェイスで、受け取る側から見ても、シンプルでクリーンな印象に見えるのではないかと思います。
簡単なロゴを作り、ちょっとした挨拶が入っているだけですが、フリーランスのフォトグラファーにとって、これはかなり大きいと思います。
このブランディング機能によって、単なるファイル共有リンクというだけではなく、自分の名前で写真を届けている印象を作れるのは大きなメリットだと感じました。
基本的には一括でのブランディング設定ですが、共有リンクごとに変更することも可能です。
ですので、継続して仕事をしているクライアントなどの場合には、その相手専用の納品ページとしてブランディングを設定すれば、より特別感のある納品ページも作成できます。
LINEで送る場合は少し注意が必要
納品方法をpCloudに変えてから、今のところクライアントから特に何か言われたことはありません。普通にメールでリンクを送る分には、初めて見る人でもそこまで使い方に迷うことはなさそうです。
一方で、LINEでリンクを送る場合は少し注意が必要です。
スマホのLINE内ブラウザで開くと、一括ダウンロードができないことがあります。その場合は、外部ブラウザで開いてもらう必要があります。

仕事の納品ではメールで送ることが多いので大きな問題ではありませんが、個人向けの写真共有などでLINEでリンクを送るときには一言添えておくと親切だと思います。
pCloudは写真納品用クラウドとして、相性が良い

使ってみて感じたのは、pCloudは単なるストレージとしてだけでなく、写真納品用のクラウドとしての用途とかなり相性が良いということです。
大量のデータを長期保存するメインストレージというより、納品データを置いておき、必要なタイミングでクライアントに気持ちよく受け取ってもらう場所。
そう考えると、Finderから扱えること、リンク共有が簡単なこと、ブランディングできること、買い切りプランがあることのバランスがとても良いです。
写真の納品は、ただデータを渡せば終わりというものではありません。
もちろん一番大事なのは写真そのものです。ただ、受け取る画面の印象や、ダウンロードのしやすさも、クライアントにとってはフォトグラファーの仕事の体験の一部になります。
pCloudはフォトグラファーの写真納品用クラウドとして、かなり有力な選択肢だと思います。
