唯一無二。F1.8通しのフルサイズ対応標準ズームレンズ:SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN【ポートレート作例】

唯一無二。F1.8通しのフルサイズ対応標準ズームレンズ:SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN【ポートレート作例】

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フルサイズ対応でF1.8通しのズームレンズという尖った性能。
Canonだけではなく、SONYからもF2.0通しのズームレンズが出ましたが、それを超えてくるF1.8という数字は、絞り的には1/3段の違いでしかないですが、数字のインパクトは抜群です。
その分ズームレンジは狭くなってしまいますが、その欠点もAPS-Cクロップが使いやすいα7R Vと組み合わせるとほとんど気になりません。

購入して約2ヶ月、私の中での常用ズームとしての立ち位置を確固たるものとしている「SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN」を紹介します。

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購入動機

50mmくらいの焦点距離が1番好きです。ただ、50mmの単焦点レンズだと寄りきれなかったり、物理的に引きが足りないこともあります。

仕事のときにガチャガチャと単焦点レンズを付け替えている暇はないことが多いので、普段から標準ズームレンズの使用頻度が高めです。

標準ズームを使うときは、50mmの単焦点を使っている感覚で撮影しつつ、寄り引きできない状況でズーミングするというのが基本スタンスです。
Canonを使っていたときは、RF28-70mm F2 L USMを愛用していました。開放F値2.0通しの標準ズームという今までにない性能のレンズで、単焦点レンズなみの描写力を持ちます。
あまりに優秀すぎて、広角と100mm以上の望遠以外はほとんどこのレンズを使っていました。

マウントをSONYに変更して、一番最初に買ったのはPlanar T* FE 50mm F1.4 ZA。
以前にα7R IVを使っていたときから描写が気に入っていたので、SONYにマウント変更するに当たって買い戻しました。
SONYの50mm単焦点としては古めのレンズですが、その分中古だと10万円くらいとお手頃な価格になっているので、オススメです。

この50mmとマウントアダプター経由のEFレンズで、ある程度の撮影はできていました。Eマウントに変更して、レンズの選択肢がかなり広がりました。
気になるレンズを借りつつ、RF28-70mm F2 L USMに代わる常用レンズを探します。

条件的にはこのような感じ

  • 50mmが入った標準ズーム
  • F2.0通しのズームレンズの良さに慣れてしまったので、F2.8よりも明るい方が嬉しい
  • 広角側はそこまで必要ない

マウント変更前から狙っていた、TAMRON 35-150mm F/2-2.8 Di III VXDをとりあえず借りてみたのですが、何かしっくりこず。
焦点距離は用途にピッタリなんですが、何となく購入には至りませんでした。

FE 28-70mm F2.0 GMの噂もあったので、待っていたのですがなかなか発表されず(当時は2024年9月)
価格もちょっと怖かったのと(結局かなり高価でした…)、なんだかんだ標準ズームは早めに必要だったので「SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN」を買いました。

外観

バッテリーグリップ付きのα7R Vに装着

大きくて重いと言われる、SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN。
ただ、鉄アレイみたいなRF 28-70mm F2 Lを常用していた身からすると、軽くてコンパクトです。

フィルターサイズは82mmなので、ここも常識の範囲内。
鏡筒もRF 28-70mmに比べたら、かなりスリムで掴みやすいです。

とは言え、α7CIIに装着するとかなり大きく見えます。
SONYのバッテリーグリップに対しては、わりと否定的ですが、このサイズ感のレンズを使うときは、バランス的にグリップが欲しくなります。

フードとレンズキャップが付いた状態だと約1040g。
あれ、1kg超えてると思いましたが、フード・レンズキャップなし、リアキャップありだと約965gでしたので、そういうことだと思います。

別に1g単位で軽量化が必要な撮影をしているわけではないので、細かいことは気にしませんが、スペック上の謳い文句のために、実用と異なる状態で計測するのはどうかと思います。

ちなみに、バッテリーグリップ付きのα7R Vに装着したら、合計で約2.1kgです。
それでも、EOS R5(バッテリーグリップ付き)+RF 28-70mm F2と比べれば軽く、重量に関してはかなり楽になりました。

手元にはRF 28-70mmはもうないので、EF 24-70mm F2.8 L IIと比較してみます。
ズーム倍率を考えると全長がかなり長く感じますが、インナーズームなのでズーミングで全長の変化がない、というメリットがあります。

EF 24-70mmの方も、テレ端まで伸ばすとほとんど変わらない長さになるので、運搬時のデメリットが許容できれば、実用上はほとんど同じようなサイズ感です。

全長が長くなってしまうデメリット以上に、インナーズームによる防水・防塵性能への信頼感と、レンズの繰り出しがないことによる剛性感の高さが、個人的には好印象です。

操作部はAF/MFの切り替えスイッチ、絞りリングのクリック感の有無の切り替え、絞りをAの位置で固定して動かなくするためのロックスイッチがあります。

マウント付近の金属と鏡筒のプラスチック(?)のコントラストが美しく、ビルドクオリティはかなり高いです。
シグマのレンズの中では高額なものですが、それに見合った質感の高さがあります。

AFLボタンが2ヶ所についています。
AFLボタンには押している間、被写体認識をオフにする機能を割り当てています。

この機能は、撮影しながらよく使います。
ボタンが2ヶ所あって、縦横どちらで構えていても同じ感覚で押せるので便利です。

ポートレート作例

肝心の写りはどうなのか、α7R Vと組み合わせてポートレート撮影をしてみました。

モデル:田淵瑚都(@tako_ism)

1/400、F1.8、ISO640、45mm
1/400、F1.8、ISO640、45mm
1/400、F1.8、ISO640、45mm

とりあえず45mmで。
開放から十分シャープですが、ちょっと絞ったときに比べるとややふわっとします。
それはそれで、ポートレート向きなのかもと思います。

1/320、F1.8、ISO1000、45mm
1/320、F1.8、ISO800、45mm
1/500、F1.8、ISO400、45mm

絞り開放での描写を見たかったので、すべてF1.8で撮影しています。
フワッとするとは言っても、6100万画素のα7RVでもちゃんと解像します。

1/500、F1.8、ISO250、45mm
1/320、F1.8、ISO800、45mm
1/160、F1.8、ISO1000、45mm

α7R Vとの組み合わせでは、暗所でもしっかり瞳にピントが合います。
F1.8だと、引きで撮っても背景がしっかりボケるので、被写体を浮かび上がらせてくれます。
さらに、暗めのシーンでもF1.8の明るさで、シャッタースピードも稼げます。

1/250、F1.8、ISO800、45mm
1/500、F1.8、ISO250、45mm
1/500、F1.8、ISO250、45mm

最短撮影距離はズーム全域で30cm。
この写真よりもっと寄れます。
ただ、ヘッドショットくらいまで寄ると撮影距離がかなり近くなってしまうので、歪みが出ます。

表現として使うなら良いですが、やっぱりちょっと気になります。

歪みや撮影距離の近さを解消するために、APS-Cクロップを使うのもひとつの手です。
画素数が少なくなることさえ問題なければ、クロップ撮影してしまえば、同じ寄り具合にするのに離れて撮影できるので、歪みも減ります。

結局は、フルの画素数で引きめに撮影して、PC上でクロップすれば同じです。
ただ、テザー撮影していて、その場で画角を見せたいときなどは、クロップして撮影してしまったほうが楽です。

さらに、シャッターを切る時点でどのようにクロップするかが見えている方が撮影しやすいと思うので、状況によってAPS-Cクロップを使い分けると良いと思います。

1/320、F1.8、ISO320、37mm
1/250、F1.8、ISO800、34mm
1/160、F1.8、ISO640、28mm

前述のように、基本的には45mmの単焦点レンズを使っている感覚で撮影しています。
動きながら撮影していく中で、物理的に引きが足りないときや広角での表現が必要なときに、ズーム操作で焦点距離を変えます。

単焦点レンズを付け替えるのと違って、シャッターを切りながら画角を変えられるので、撮影のリズムを崩さないのが最大のメリット。
このレンズは各焦点距離で、描写も安定しているので使いやすいです。

特にこういった、ちょっと狭めのハウススタジオのような場所で、短時間でたくさんのバリエーションを撮影したいときには、ズームレンズが有効です。

Planar T* FE50mm F1.4 ZA、1/400、F1.4、ISO800、50mm
28-45mm F1.8 DG DN、1/320、F1.8、ISO800、45mm

比較としては光の感じも画角も違うので全然ダメですが…。
SIGMA 28-45mmは単焦点並みというのも、うなずける描写だと思います。

Planar T* FE50mm F1.4 ZA、1/500、F1.4、ISO400、50mm
28-45mm F1.8 DG DN、1/500、F1.8、ISO400、45mm

手持ちですが、ほとんど同じ位置から撮影しています。
現像条件も揃えていますが、Planarの方がやや青っぽいのが分かります。

好みの問題なので、どちらが良いとかは一概には言えませんが、このちょっと青っぽいところもPlanarの好きなところである、すっきり感・ヌケ感につながっているのかなと思いました。

1/400、F1.8、ISO250、38mm
1/320、F1.8、ISO500、45mm
1/400、F1.8、ISO320、45mm
1/2000、F1.8、ISO100、45mm
1/1000、F1.8、ISO100、45mm

他にもたくさん撮影したので、noteにまとめてあります。

まとめ

SIGMA 28-45mm F1.8 DG DNは、標準ズームレンズの枠を超えた、唯一無二の存在感を放つレンズです。
ズームレンジの狭さは気になるものの、F1.8という明るさの標準ズームレンズは他になく、このレンズでしか体験できない表現の領域があります。

SIGMAのレンズの中では高価な部類ですが、CanonやSONYのF2.0通しの標準ズームと比べれば、遥かに安価でコストパフォーマンスが高いと言えます。
描写に関しては、単焦点レンズ並みのレベルになっており、RF28-70mm F2 L USMと比べても十分に肩を並べるクオリティです。

価格・性能・大きさのバランスを考えると、かなり尖ったレンズのようにも感じられるかもしれません。
しかし、「45mm単焦点レンズを基本として、レンズ交換無しで28・35mmの単焦点的な使い方もできる」と考えると、これ以上ない選択肢だと思います。

最近は、ワイヤレスでのテザー撮影も実験的に導入しているので、そのときにもレンズ交換なしに撮影できるズームレンズの便利さを感じます。

画素数の低下さえ許容できるなら、高画素なα7R Vとの組み合わせで28-67mm相当の標準ズームとして活用することも可能です。常用の標準ズームレンズとして頼れるレンズであることは間違いありません。

※ソニーEマウントとLマウントがあります。購入時はマウントにご注意ください。

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Tanaka Toshiyuki
都内在住フリーランスのカメラマンです。
ファッション・ポートレート・物撮りなどを中心に活動しています。

このブログではカメラ・機材やガジェットなど撮影に役立つものを中心に紹介しています。

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