レンズに取り付けるフィルターには、保護目的のプロテクトフィルターと、撮影時に特殊な効果をもたらす効果フィルター、大きく分けるとこの2種類があります。効果フィルターにはPL(偏光)フィルターやND(減光)フィルターなど目的や用途によって様々な種類があります。PL・NDフィルターはどちらかと言うと、風景・星景撮影などに使用するのが主な用途で、私自身あまり使うことがないのですが、今回ご紹介するソフトフィルターはポートレートや物撮りで使用することで、普段とは違った雰囲気の写真が撮影出来るので、重宝しています。手持ちのソフトフィルターはソフト効果の違いなどで何種類かあるのですが、この記事ではマルミのDHGレトロソフトフィルターをポートレートの作例と合わせてご紹介したいと思います。
フィルターの基本的なことなど、マルミのHPがとても分かりやすかったので、リンクを貼っておきます。
FILTER ABC – marumi
DHGレトロソフトについて
フィルター自体の詳しい説明は割愛しますが、マルミが現行で販売しているDHGソフトシリーズと銘打ったソフトフィルターは5種類あります。ソフト効果の強弱でいうと、今回ご紹介するレトロソフトは下から二番目の強さで、ソフト効果としては弱めの部類です。
フィルター表面はこのような感じです。少し分かりづらいですが、表面が少しボコボコしていています。
レンズ先端に取り付けるタイプのフィルターはレンズのフィルター径に合わせたものを用意する必要があります。
マルミのDHGレトロソフトは一番大きいサイズでも77mmまでしか販売しておらず、それよりも大きいフィルター径のレンズにはそのまま取り付けることは出来ません。
ステップアップリング・ステップダウンリングによるフィルター径の調整
前述の通り、フィルターを購入する際は使いたいレンズのフィルター径に合わせたサイズを購入する必要があります。しかし、レンズのフィルター径はバラバラでそれぞれのレンズに合わせたフィルターを購入するのは経済的ではありません。
参考までに私の手持ちでよく使うレンズのフィルター径は以下の表のような感じです。
レンズ | フィルター径 |
RF 28-70mm F2 L USM | 95mm |
EF 24-70mm F2.8 L USM | 82mm |
RF 24-105mm F4 L IS USM | 77mm |
EF 85mm F1.4 L IS USM | 77mm |
RF100mm F2.8 L MACRO IS USM | 67mm |
これだけでも、フィルター径はレンズごとにバラバラなことが分かります。特殊効果系のフィルターは販売している最大サイズが82mmのものが多いので、基本的に82mmサイズのフィルターを購入し、他のレンズではステップアップリングというフィルター経を調整するアダプターを使用して、他のレンズでも使い回せるようにしています。
ただ、DHGレトロソフトの場合は最大サイズが77mmのため、それよりも大きいフィルター径のレンズに取り付けるためにはステップダウンリングというフィルター経を変換するアダプターを使用します。今回のポートレート作例で使用したレンズはRF 28-70mm F2 L USMでフィルター径95mmというさらに大きいサイズなので、ステップダウンリングを2個重ね付けするという荒業で取り付けています。
色々と探してはみたのですが、95-77mmというステップダウンリングは見つけられず、82-77・95-82の二段重ねです。82-77の方はマルミ製、95-82の方はAmazonで見つけた八仙堂というところの商品です。どちらもねじ切りの精度もよくきっちりとはまります。
現在(2024年1月6日)は95-82mmのステップダウンリングが販売されていませんでした。上記リンクは95-86mmなので、さらに86-77mmを使えば2段重ねはできそうです。
フィルター経を調整して、フィルターを使い回すことが出来る便利なステップダウンリングですが、レンズ経より小さいフィルターを取り付けるという性質上、フィルターによるケラレが発生することがあります。
RF 28-70mmに取り付けた際のケラレのテストは以下の通りです、
望遠側の70mmでもケラレは発生しています。ただこのくらいなら被写体や撮影条件次第では実用の範囲内ではあるかと思います。この後にご紹介するポートレートの作例で実際の撮影のときのケラレ具合を参考にしてみて下さい。
ポートレート作例
使用機材
Canon EOS R5
RF 28-70mm F2 L USM+DHGレトロソフト
まとめ
ソフト効果がそこまで強くないのでピントの芯はあり、まつ毛や髪の毛もしっかりと解像感を残しつつ、全体的にふわっとした雰囲気になります。
ハイライトの明るい部分はぼやっとしたにじみ感が出て、全体的にクラシックな感じが出ます。
上の作例ではほぼ70mm付近で撮影していますが、バストショットくらいの引き画だとケラレはほぼ気にならないレベルです。ヘッドショットくらいの寄りになるとケラレも若干入ってきますが、パット見では周辺光量落ちが強く出ているくらいの感じなので、実用上は問題ないかと。
マルミのDHGレトロソフトは程よいソフト効果で汎用性も高く、どこかレトロでクラシックな雰囲気を手軽に演出できます。レトロな質感が好きな方や、いつもとちょっと違った雰囲気の写真を撮りたい方は是非試してみて下さい。
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