Canon EOS R5 MarkIIの発表や、SONYの値上げなど色々なことがあり、2024年の7月末に10年以上使ってきたCanonからSONYのカメラへ完全に移行しました。
約1ヶ月半使ってみて、ファーストインプレッションのときには見えてこなかった部分が出てきたので、感じたことをとりとめもなく書いていきます。メインで使っているのはα7RVなので、それを中心とした話です。
良いところ
Eマウントのレンズの豊富さ
SONY純正だけでもコンパクトな20-70mmF4など、ちょっとめずらしいスペックのレンズがあります。サードパーティまで含めると、さらにマニアックなレンズまで。
あまりに選択肢が多いのと、気になるレンズが多すぎるので、とりあえず必要最低限のレンズだけ買っています。他は必要に応じて、気になるレンズをレンタルして使ってみて、どれを買おうか決めているところです。
個人的に一番良く使う標準域は、かなり迷ってSIGMA 28-45mm F1.8 DG DNを買いました。ズーム域の狭さなど、気になる部分もありましたが、後述するAPS-Cクロップを使えば、実質28-67mmのように使える点と、唯一のフルサイズ対応F1.8通しズームというロマンに惹かれて買ってしまいました。
純正に拘らなければ、コスパ重視や尖ったスペックのレンズなど選択肢がかなり豊富なところもEマウントの魅力の一つだと思います。
APS-Cクロップが便利
α7RVの高画素を活かして、APS-Cクロップを使いながらの運用がかなり便利。
正直なところ、6100万画素が必要な場面ばかりではないので、α7RVの高画素は持て余し気味です。以前にα7RIVを使ってみたときは、取り回しの面でクロップして使うことが多く、画角的に不便でした。α7RVはRAWのサイズが選べるので、フルサイズで2620万画素が使えるのがかなりのメリットです。さらに、RAWのMサイズ撮影時はAPS-Cクロップをすると、自動的に2620万画素に揃えてくれるのも素晴らしいです。
Canonを使っていたときは、EOS R5とEOS R6 Mark IIを使い分けることで、4500万画素と2400万画素を使い分けていましたが、それが1台のα7RVでまかなえる便利さを感じています。
APS-CクロップをC3ボタンに割り当てているので、上述の28-45mmのレンズも、ワンタッチでほとんど何も考えずに、28-67mmの標準ズームレンズのような使い方ができます。
4500万画素のEOS R5の場合、クロップすると1730万画素。用途によってはこれでも十分なのですが、トリミング耐性など諸々考えるとクロップ後も2000万画素以上は欲しくなります。
5100万画素のα1がクロップで2100万画素なので、フルサイズで使ったときのバランスも含め、個人的には5000万画素くらいがベストバランスかもと思っているので、α1の後継機にも期待しています。
気になるところ
ファイルサイズの大きさ
CanonにはC-RAWという形式があり、4500万画素のEOS R5でもファイルサイズが25MB前後くらいで、普通のRAWの半分ほどのファイルサイズ。α7RVはロスレス圧縮のRAWでLサイズ67MB、Mサイズ45MBくらいと、C-RAWに比べるとかなりストレージ容量を食います。
そもそもCanonの方は、非可逆圧縮のようなので可逆圧縮のSONYと比べるのもアレなんですが…EOS R5やEOS R6 Mark IIを使っていて、個人的にはRAWとC-RAWで大きな差は感じませんでした。
そもそもストレージ容量のためだけに、α7RVの画素数を落として運用しているわけではありません。ただ容量の面だけで言えば、EOS R5はフル解像度で撮影していても、ストレージ容量の面でストレスを感じることはなかったので、基本的には4500万画素で撮影していました。
基本的に撮影中はPCかiPadと有線接続してのテザー撮影です。その際に、カメラ内のメモリーカード1枚とPCの2箇所に保存して、バックアップとしています。EOS R5では64GBのSDカードで約3000枚弱は保存できていました。リスクマネジメントの意味も含めて、1枚のカードでたくさん撮りすぎないように、64GBのSDカードを6〜7枚で運用していました。α7RVになってロスレス圧縮Lサイズだと、64GBのカードには900枚くらいしか保存できなくなってしまったので、容量の大きなSDカードを買い足しました。
メモリーカード系は基本的にはSanDiskを使ってきたのですが、試しにProGradeとLexarを買ってみました。
どちらのカードも転送速度などの性能的には同じようなものになります。
一応テストしてみましたが、どちらも性能通りという感じです。
ProGradeに関しては、EOS R5でCFexpressを使っていて特に問題なかったので、ある程度の信頼はしています。Lexarは初めてだったのですが、あまりの価格の安さに試しに買ってみた感じです。とりあえずプライベート用に使ってテストしていますが、今のところ不具合もなく快適に使えています。性能とか耐久性とか問題なければ、Lexarはかなりコスパが良さそうなので、期待しています。
特に、高速連写を必要としない静止画撮影の場合は、このクラスのSDカードで必要十分かと。
カメラの操作感
ファーストインプレッションでも感じていましたが、シャッターボタンの位置と角度があまり好みではありません。これは個人差があるので、CanonよりもSONYの方が使いやすいという人もいるかと思います。
シャッターボタンが上手く押せないことが、たまにあります。押し込んだのにレリーズできていないというか…ちょっとタイムラグがある時があって、それが気になりました。基本的にはちゃんとレリーズできるので特に問題はないです。ただ、α7RIVを使ったときも、操作感のプチストレスが原因で手放したので、微妙に気になるところではあります。
あとは、ずっと気になっているんですがグリップが分厚く微妙に握りにくいです。
グリップ無しで使おうかとも思ったのですが、せっかく買ったのと、28-45mm F1.8のような大きめのレンズを装着したときのバランスを考えるとあった方が落ち着きます。
α7CIIにはLeofotoのL型ブラケットを装着していて、非常にバランス良く感じているので、
これのα7RV用を発売して欲しいと切に願っています。
SIGMA MC-11
TS-E 90mmは撮影で必須なので、αで使用するためにMC-11を買いました。このレンズに関してはMFなので、カメラに取り付けられて、絞りがちゃんと動けば問題なし。EXIFだけ「DT 90mm F2.8 SAM」という謎の表記になりますが、特に問題なく使用可能です。
せっかくなので、他のEFレンズも試してみようとEF24-70mm F2.8Lなども使ってみましたが、AFなどもそれなりに正確で、思ったよりもちゃんと使えます(AF-Cも使えます)。ただし、レリーズに結構ラグがあり、人物撮影だとちょっとタイミングが取りにくく難しいと思いました。
MC-11を使ってCanonのEFレンズでポートレート撮影を考えている場合、一度レリーズ時のラグを確認することをおすすめします。※そもそもSIGMAのEFマウントレンズを装着するもので、Canonのレンズは動作保証外なので、AFまでちゃんと動く時点で及第点だと思います。あいにくSIGMAのレンズは手元にないので試せませんが、その場合はもっとちゃんと使えるのかもしれません。
物撮りなどの静物ではまったく問題なく使えるので、ある程度のEFレンズはまだ残していて、Eマウントレンズをどれにするか決めるまでの繋ぎとして使っています。
撮影対象によっては、EFマウントのレンズ資産が活かせるので、マウント変更のハードルは下がります。
α7CIIにジョイステックがあれば…
最初から分かって買っているので、割り切ってはいますが、ジョイスティックがないのは、やはり不便です。
EOS Rを使っているときも思いましたが、AF枠の移動に関しては個人的にはジョイスティックはマストだと感じました。特にα7RVとα7CIIを交互に使って撮影しているときには、α7CIIの方の使いづらさが目立ちます。逆に、α7CIIしか使っていない場合にはそこまでの不便さは感じないかもしれません。
AFは最新世代の高性能なものなので、AFはカメラ任せで大丈夫な場合にはジョイスティックのない不便さも特に感じないと思います。それ以外は性能・画質面などで特に不満はなく、予備のカメラとして考えた場合にα7CIIの軽さはかなり魅力的です。
前述の通り、Canon機のときのEOS R5とEOS R6 Mark IIの使い分けが、α7RVの1台でまかなえるので、α7CIIは予備のカメラという側面が強くなっています。
α7Vが発売されたら、サブカメラとして検討はしますが、2台のカメラを同時に使う場面が少ない現状では、予備として軽量コンパクトなことのメリットが大きいです。
CanonからSONYに移行して思うこと
不満っぽい内容が多くなってしまいましたが、SONYに切り換えたことは後悔していません。
操作感の部分で、Canonと比べてややマイナスな側面はありますが、α7RIVに比べたら基本的なカメラのレスポンスなどはかなりの進化を感じます。基本的なスチールカメラとしての使い勝手という意味では、もはやSONYを選ばない理由はないと思いました。
他に挙げた気になる部分は、もともと分かっていて、それも含めて納得してのマウント替えだったので些末な問題です。あとは、Eマウントはレンズの選択肢が多すぎて、迷ってしまうというようなハッピーな悩みくらいしかありません。
確証がなさ過ぎるので触れていませんが、明らかにテザー撮影時の安定性がSONYの方が上だと感じています。EOS R5だけの話だったら、個体差や何かしらの不具合かとも思いますが、EOS R・EOS R5・EOS R6 Mark IIと使ってきて、常にテザー撮影の接続に関して気を使ってきました。それ以前のEOS 5D系では特に感じていなかったことなので、CanonのUSB-C端子に何かあるのかもと疑ってしまうほどです。
撮影の9割近くがテザー撮影なので、接続の問題のストレスは結構大きく、SONYに変更してからその部分は今のところほとんどノンストレスなので、それだけでかなり満足しています。
Capture Oneでの有線接続というニッチな部分での評価なので、カメラ自体の評価とするには微妙ですが、必要な人にとってはかなり重要な部分なので、私にとってはSONYに軍配が上がります。
カメラ自体の使い勝手などは、最新世代のαシリーズはCanonと遜色ないと感じています。AF性能も、普通にポートレートや物撮りをしている分には、明確な差は感じません。
そんな中でマウント替えをして感じたメリットは、
- 軽量コンパクトさ(レンズまで含めて)
- サードパーティーまで含めたレンズの豊富さ
この2つだと思います。SONYは標準ズームレンズなども軽量化方向に進化していっているので、システム全体を通して軽くすることができます。マウント変更をして、改めて機材が軽量コンパクトなことに対するメリットを感じています。
さらにサードパーティの尖ったレンズからコスパの良いレンズまで、Eマウントは選択肢が豊富です。1ヶ月経ってもレンズの構成に悩めるという、カメラ好きにはたまらない沼にハマれます。
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