2021年4月24日発売の雑誌「smart」6月号の付録がデジタルメモパッドでした。誌面での取材撮影のときに初めて付録の現物を見て、すごく便利そうだなと感動しました。
恥ずかしながらこのデジタルメモパッド(電子メモパッド)というものの存在は知りませんでした。仕事上では手書きで文字を書くことは少ないのですが、デスクに向かっているときにちょっとメモを取りたいことがあります。そういうメモは長期的に残しておきたいものではないことが多く、ノートやメモ帳を用意するほどではないので、コピー用紙などにメモしていました。けれど、メモしたコピー用紙をすぐに捨てることになるので無駄が多く、どこか釈然としない気持ちでした。
smartの付録でデジタルメモパッドの存在を知り、私の用途にぴったりだと思ったので、キングジムboogie board BB-14とHOMESTEC 電子メモ帳 10インチを購入しました。これらを比較しつつレビューします。
デジタルメモパッド(電子メモパッド)とは
デジタルメモパッドとは手書きで文字や絵などを書けるデバイスです。
スタイラスペンや爪などでLCDパネルに直接書くことができ、ボタン一つで書いたものがパッと消えます。
ボタン電池で動作するものが多く、電池は交換可能で繰り返し使えます。価格帯も様々で1000円くらいから購入できるものもあります。基本的にボタンを押すと書いてあるものが全て消えてしまうので、長期間保存したいような内容のメモではなくちょっとした覚え書きなどなどの用途に向いています。
外観
キングジム boogie board BB-14
テプラとファイルで有名なキングジムのboogie boardという商品です。boogie boardはサイズやカラーのバリエーションが豊富で、今回購入したのはデスクに置いても邪魔にならない絶妙なサイズ感のBB-14という商品です。
パッケージは簡素で、袋に直接本体が入っています。他に取扱説明書と、後述するBoogie Board SCANというアプリのQRコードが書いてある紙が入っています。
本体。カラーバリエーションが豊富で、白・黒・黄・緑・ネイビーの五種類があります。購入したのはネイビーです。少し緑がかったような濃いめの色です。
付属のスタイラスペンは本体に引っ掛けられるようになっています。ペンと本体上部にストラップをつけられる穴が空いており、これらをつなぐことでペンの紛失防止になります。
電池はCR2016のコイン型です。最初から本体に内蔵されていて、パッケージから出したらそのまますぐに使用可能です。電池は交換可能で、取付部はネジ止めしてあります。
本体裏にマグネットが内蔵されていて、冷蔵庫などスチール面に付けられます。
裏側に14cmまで測れる定規がついています。正直、定規を使うことはなさそうですが、定規部分が斜めになっているのでデスクの上から持ち上げるときなどに、ちょっとだけ持ち上げやすいような気がしなくもないです…
HOMESTEC 電子メモ帳 10インチ
こちらは、Amazonで見つけた謎のメーカーの商品です。Amazonで探すと、似たような電子メモパッドが色々なメーカーからたくさん出ています。多分作りはどれも似たようなものっぽいので、smartの付録より大きいサイズであまり大きすぎないものということで、適当に選びました。
思ったよりもしっかりした箱に入っています。箱の中には本体のみが入っているという潔さです。
こちらは、白と黒の2色があります。smartの付録は本体が黒だったので、違う色が欲しかったのもこれを購入した理由の一つです。
boogie board BB-14にはないロック機能があります。これらのデジタルメモパッドはボタンを押すと書いてあるものが一瞬で全部消えるのですが、スイッチをLOCK側にしておくとボタンを押しても消えないようになります。
スタイラスペンは本体裏側にはめられるようになっています。ペンをはめておくと正面からは見えないので、見た目がスマートです。
比較
サイズ感
キングジム boogie board BB-14 | HOMESTEC 電子メモ帳 10インチ | |
外寸(縦×横) | 14.8cm × 10.5cm | 25.5cm × 16.5cm |
画面サイズ | 12.4cm × 9.3cm | 21.3cm × 14.5cm |
重量 | 約75g | 約192g |
キングジムのboogieboard BB-14は本体はA6サイズと小ぶりですが、ベゼルが細く画面サイズが結構大きいので、見た目の大きさの割にもたくさん書くことが出来ます。サイズが小さいのでデスクの上に置いていても邪魔にならず、パッとメモを取りたいときに便利です。
BB-14は重量も75gと軽く片手で持ちながらの筆記がしやすいです。対してHOMESTECのメモパッドは厚みがあり、重量も200g近くあるので、手で持つと結構重く感じます。そのため手で持ちながら筆記するのにはあまり向いていないと思います。
書き心地など
書き心地はどれも紙に近い感じでスラスラと書けます。
動画の3つの中だと、boogie boardが一番コントラストが高く発色が良いので、書いた文字の視認性が良いです。
boogie boardとHOMESTECの2つは消去ボタンを押したときに一瞬画面が点滅します。smartの付録は点滅せずにスッと消えます。
筆圧である程度線の太さが変えられます。HOMESTECの方が細く繊細な線が書けるので、細かい文字などを書くにはHOMESTECの方が向いているかもしれません。
近くで見ないと分からないですが、boogie boardの方は線のエッジが滲んだようになります。
購入してから気がついた欠点ですが、電子メモパッドはそれ自体が発光しているわけではないので、暗いところでは著しく視認性が落ちます。今回比較した3つの中ではboogie boardが一番発色が良く、暗いところで見た場合も一番マシな見え具合だと感じました。
プチDIY
HOMESTECのメモパッド裏にシート状のマグネットを貼りました。
初めて電子メモパッドの存在を知ったとき、最初に思いついた使い方が玄関での忘れ物防止用です。
朝、家を出る前にバタバタしているときなど、持っていかなくてはいけないものを忘れてしまうということがあります。今まではコピー用紙に忘れたくないものを書いて、テープで玄関のドアに留めていたのですが、それだと一度使うたびにコピー用紙を捨てていたので、紙の無駄使いだと感じていました。
コピー用紙の代わりに電子メモパッドを使うことでその無駄を無くすことができます。
玄関ドアに貼っておくと家を出るときに必ず目に入るので、忘れ物をしがちな人にオススメです。
Boogie Board SCAN
boogie boardを初めとした電子メモパッドには書いたものを保存しておく機能が無いものが大多数です。そこで、キングジムがリリースしているBoogie Board SCANというアプリを使うことで、書いたメモなどをスマホで手軽にスキャンして保存することが出来ます。
アプリを起動して撮影ボタンを押し、カメラをboogie boardに向けると、自動的に筆記面を認識して読み取ってくれます。読み込んだものは白黒ですが、編集画面で後から書き足したり消したりすることが出来ます。読み取りは一瞬でかなり正確にスキャンしてくれます。
アプリを起動したときにboogie boardの機種を選択する必要があったので、boogie board専用のアプリかと思いましたが、試しにHOMESTECの電子メモパッドをスキャンしてみたらちゃんとスキャン出来ました。
ただ、smartの付録の場合は筆記面をちゃんと選択してくれないので、本体と筆記面の色の差がはっきりしたものでないと自動的に画面を読み取ることは出来ないようです。
まとめ
以上、電子メモパッドの比較レビューでした。
紙に近い感覚でスラスラと書けて、パッと消せる電子メモパッドは手元に置いておいてちょっとメモしたい用途にぴったりです。長期間保存したいような用途のメモにはあまり向いていませんが、アプリでスキャンすることである程度補完できると思います。メモだけでなく、筆談や漢字の書き取りなどの学習用途にも便利に使えます。
スマホやパソコンが普及した現代でも、手書きでサッとメモを取りたいシーンはたくさんあります。そんな時に電子メモパッドを使うことで、紙の節約になりちょっとだけサスティナブルな日常が身近になるのではないでしょうか。
※HOMESTECの10インチは終売になってしまったようです。上記リンクは同じメーカー(?)の後継機のようです。